憲法が保障する、あるべき生活保護制度について

  • 2018.09.17 Monday
  • 18:08

 「健康で文化的な最低限度の生活」というコミックが50万部を超えるヒットとなり、ドラマ化もされ話題となっています。徹底した取材による原作のリアリティは、現役ケースワーカーや医療・福祉関係者からも高い評価を得ています。この生活保護を描いた作品の異例のヒットの背景には何があるのでしょうか。

 憲法25条1項は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定しています。私たちの誰もが、病気になったり、仕事を失ったりして、「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できなくなることがあり得ます。そのような場合に、国民の権利として、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために制度化されたのが、生活保護制度です。

 

 ところが安倍政権のもとで、生活保護費が連続削減されてきました。2013年には日常生活費にあてる生活扶助を980億円削減し、その後も住宅扶助、冬季加算を減額。今年10月からは、再び生活扶助を210億円削減し、その影響は受給世帯の2/3に及び、延べ40万人の子どもが不利益を受けます。10月からの削減がすべて実施されれば、安倍政権下での削減総額は、年1,480億円にものぼります。

 本市の生活保護基準の推移を4つの類型で比較しました。高齢者世帯を棒グラフで示しています。赤色の折れ線グラフで示した夫婦と子ども2人の世帯では3万円近い引き下げ、オレンジの母子世帯では、2万円近くの引き下げ、水色は昨今問題化している8050年齢の世帯で1万円を超える引き下げとなっており、濃い青の単身高齢世帯では、そもそも基準額が低く消費税が上がり物価が上がる中での引き下げは、命を削るに等しいのではないでしょうか。

 前代未聞の生活保護引き下げに、全国各地で次々と違憲訴訟「いのちのとりで裁判」が起こり、本年6月時点で、原告は全国29都道府県、1,000人を超えました。本市でも、14人の方が勇気を振り絞り、立ち上がっています。その中のおひとりの若い女性が、今年2月に口頭意見陳述された内容を、ご本人の許可を得て一部省略し読み上げます。

 「私の場合、6千円から7千円ぐらい減額され、生活は本当に大変になりました。夏はいくら暑くてもクーラーはつけないで、ひたすら扇風機で我慢の毎日です。ぎりぎりの生活で、急な出費には対応できず、不安が残ります。食材などの値上がりで出費が多く困ります。

 私が、生活保護にいたったのは、仕事が出来ずに退職に追い込まれたことです。後に発達障害の診断を受けました。どんなに努力しても仕事ができないので、収入が無く、やむを得ず生活保護に頼るしかなかったのです。

 ここにおられる裁判官のみなさん、1日1,000円、生活保護基準と同額で生活したらどうなるか一度やってみてください。想像してみてください。」以上です。

 まず、相次ぐ生活保護基準引き下げについて、お尋ねします。

 生活保護基準の引き下げは、制度を利用している人だけの問題ではありません。基準の引き下げは、住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金などに連動し、広範な国民の生活に深刻な影響を与えます。そこで伺います。

  1. 本年10月からの生活保護基準の引き下げが、市民に与える影響について、どのように認識されているのか伺います。
  2. 保護基準の引き下げを中止し、切り捨てた扶助を復活させるよう国に要望すべきと考えますが、見解を伺います。
  3. 厚生労働省は、基準の引き下げが、47の低所得者向けの医療・福祉・年金などの事業に影響することを明らかにし、できる限りその影響が及ばないよう対応するとしています。大津市は、市民の暮らしを守るためにどのような対応をしようとしているのか伺います。

 次に、利用しやすい保護制度のために、お尋ねします。

 日本は生活保護に使う財源が世界最低レベルで、貧困率は高いのに保護率は低く、制度を利用できるはずの人のうち2割程度しか利用できていないとされています。その原因は、わずかでも貯金があれば保護を受けられないなどの厳しい資産条件や異常なまでの扶養義務照会などによる申請抑制があります。

 いまの日本では生活保護に対する誤解や偏見が多く、身内に知られたくないという方もおられます。精神的な抑制に加えて、窓口で申請をはねつける「水際作戦」、窓口に近づかせないための「沖合作戦」、申請を受け付けた後で、辞退届けを出させる「硫黄島作戦」と呼ばれる事態まで起こっています。生活保護利用者は敵ではありません。そこで伺います。

  1. 本市では、制度が利用できるのにできていない捕捉率の低さをどのように認識しておられるのでしょうか。申請権を侵害しないために、市民に対しての周知や、行政職員の意識改善が必要だと考えますが、見解を伺います。

 生活保護のしおりやホームページなどに、申請を抑制するような説明や誤解を招く記載があることから、全国の自治体で改善が進んでいます。大津市のしおりにも、「あらゆる手をつくしても」とか「親・子・兄弟姉妹などから援助を受けられるよう努力してください」などの文言や、資産を一切認めないかのような記述もあり、改善すべき点が多くあります。

 これは、本年6月に改善された甲賀市のしおりの表紙です。同じ6月の甲賀市議会で日本共産党市議の質問を受け、直ちに改善されました。ここに書かれた「困ったときには、まず相談してください。」という姿勢がとても大切だと思います。

 一方、本市は先の6月議会での立道議員の質問に対し「しおり」の表現等を見直しているとお答えになりましたが、いまだ改善されていません。そこで伺います。

  1. 「生活保護のしおり」やホームページの内容は、申請権を侵害することの無いよう、誤解を招く記載を改め、はわかりやすく親切なものへ、直ちに改善が必要と考えますが、いつまでにどのように見直されるのか伺います。

 生活保護利用者が医療扶助を利用する場合は、指定医療機関に福祉事務所の発行する「医療券」を持参しなければなりません。現行では、受診ごとに市役所や支所での申請手続きが必要で、受診したい医療機関が指定医療機関かどうかは、窓口で調べてもらわなければわかりません。そこでお尋ねします。

  1. 病身の方が受診時ごとに医療券の申請にいかなければならないシステムの改善や、指定医療機関の一覧の事前配布など利用者の立場に立って、改善すべきと考えますが、見解を伺います。

◆部長答弁 所属:生活福祉課

まず始めに、相次ぐ生活保護基準引き下げについてのうち、1点目の生活保護基準の引き下げが、市民生活に与える影響についてでありますが、厚生労働大臣の定める保護基準は、受給者の年齢、世帯人員、居住地域別など個々に必要な事情を考慮し、健康で文化的な最低限度の生活の需要を満たすものとして国が定めたものであり、適正であるものと認識をしております。

2点目の保護基準の引き下げを中止し、扶助の復活を国に要望することについてでありますが、保護基準につきましては、適正に、保護基準につきましては適正であるものと認識しており、国に中止等を要望する考えはございません。

3点目の保護基準の引き下げに伴い他制度への影響をできる限り及ぼさないようどう対応するのかについてでありますが、本市の様々な担当部署がそれぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮しながら対応できるよう周知に努めてまいります。

2項目目の利用しやすい保護制度についてのうち、1点目の捕捉率の低さの認識についてでありますが、まずは、生活に困窮されている方を相談機関等へつないでいくことが重要であると考えております。相談機関につきましては福祉事務所の窓口のみならず、大津市社会福祉協議会や大津夜まわりの会なども生活保護の相談を日常的に受けており、相談体制として定着をしております。今後は、さらに、民生委員児童委員、各種相談機関等とのネットワークの強化に努めてまいります。

また、市民に対しての周知や、行政職員の意識改善の必要性については、職務に取り組むに当たり、相談者の個々の事情を理解し寄り添った支援が出来るよう職場会議等で内部研修を充実するとともに、ホームページ等の充実を図り市民への周知を図ってまいります。

次に2点目の「生活保護のしおり」とホームページの内容についてでありますが、相談者によりわかり易く、申請権を侵害することがなく申請しやすい内容として、現在、他市事例等を参考にしながら調査研究に取り組んでおり、出来る限り早期に作成してまいります。

次に3点目の医療券の申請の改善と指定医療機関の一覧事前配布についてでありますが、医療扶助を受けていただくためには傷病届を兼ねる保護変更申請をいただく必要があり、それに基づき福祉事務所は診療依頼書(医療券)を発行しております。この申請手続きについては、保護の受給開始時にお渡しする「保護のしおり」に基き、ケースワーカーから受給者へ詳細に説明をしており、夜間・休日や急病時は、一番新しい「生活保護決定(変更)通知書」を医療機関に提示していただくことで、診療依頼書無しでも受診できるよう説明しております。

なお、指定医療機関の一覧の事前配布につきましては、指定医療機関数は二千余りと多く、随時、新規や廃止についての情報の更新が必要であるため、事前配布は困難でありますが、今後とも、利用者の立場に立ち、世帯向けの広報紙や訪問等において、診療依頼書の申請方法について周知を行ってまいります。

 

※実際に保護制度を利用できるようになったものの、ケースワーカーからの度重なる就労への働きかけが苦痛となり、自ら保護利用を断り、三日間飲まず食わずで相談に来られた方がおられます。再質問で質しましたが、他人事のような答弁で、生活保護のしおりも改善の時期をはっきりとは答えませんでした。

大津市公設地方卸売市場に対する市の責任ある対応を求めて

  • 2018.06.30 Saturday
  • 23:59

一問一答にて質問いたします。

 本通常会議に、大津市公募提案型地方卸売市場開設者選定委員会の設置に関する議案が提出されました。公募提案型方式により公設地方卸売市場の施設の譲渡を受けて、地方卸売市場を開設する民間事業者を選定するために必要な事項を審査等することとし、議決後直ちに設置するとしています。

 本市は、2015年4月の「大津市公設地方卸売市場のあり方検討委員会」からの「今後の市場の運営形態として民設民営を目指していくことが望ましい」との提言を受けたことを理由に、民設民営化へ突き進んでいます。

 ところが、本市と同じように市場外流通の増加や、市内小売業者の大幅な減少による取扱高の減少だけでなく、施設設備の老朽化の課題を抱える尼崎市公設地方卸売市場は、公設公営を今後も継続し民営化の予定はないと伺いました。

 学識経験者、消費者・生産者・小売商業者等の代表、市場関係事業者15名で構成する尼崎市公設地方卸売市場運営委員会は、尼崎市公設地方卸売市場の今後のあり方について、市場本来の機能や重要な雇用の場であることに加え、関連産業の生産誘発による経済効果、消費者の食の安全・安心に対するニーズが高まる中、食の安全・安心の確保や地産地消の推進及び正しい食の知識の普及といった取組促進の必要性。そのほか、地域小売業者との連携強化による地域経済の活性化など、市場が果たしていかなければならない役割は一層高まっているとして、市場の経営力強化に向けて市場関係者が一体となった取り組みを展開することと、場内事業者の受益と負担の均衡を図りながら必要な施設整備を円滑に推進することを提言されました。民営化に突き進む本市との違いに愕然とします。

(※資料投影)これは、尼崎市公設地方卸売市場のホームページのトップページです。

(資料2枚目)こちらが本市のホームページの卸売市場のページです。

ここにも、市の姿勢の違いが顕著に表れていると思います。

本年2月、市場協会及び入場事業者、仲卸組合の6団体から、越市長に対し、大津市公設地方卸売市場公設・公営継続についての要望が、9,612名の民設・民営化反対署名を添え提出されました。

そこで伺います。

1.   公設・公営継続の要望について

   市場事業者からの「民設・民営化反対署名」を添えた公設・公営継続の要望をどのように受け止められたのか、市長の認識を伺います。

 

◆市長答弁 所属:公設地方卸売市場管理課                

「民設・民営化反対署名」をいただきましたことは、真摯に受け止めております。特に、入場業者の皆様が懸念されている点がどこにあるのかをしっかりとお聞きする必要があると考え、これまでからも事業者と20回を超える協議に加え、事業者を個別に頻繁に訪問しお話ししてまいりました。そして、本年2月の入場業者との意見交換会には私も参加し、直接お話をお聞きしました。

また、個別の事業者協議では、条件付きも含め、賛成41.5%、どちらでも良い31.7%の約7割の事業者から民営化について一定の理解が得られております。一方、入場業者の皆様からのご意見では、使用料の増額、施設の老朽化などについての懸念が寄せられました。

そこで、このような懸念点が解消されるよう、市場開設者の選定に活かしてまいりたいと考えます。

 

※林再質問:20回を超える協議とはどういう協議か。

 

◆産業観光部長:

 20回以上と申しますのは、26年、27年、28年、29年を通じまして機会あるごとに理事会等で喋らしていただいた回数でございます。そしてこのパーセントにつきましてはですね、今年の1月から2月にかけて、私が場長でしたので、直接指示をして各事業者に回らせていただいてパーセントを出しております。

 

 次の質問に移ります。

「大津市公設地方卸売市場のあり方検討委員会」からの提言には、特に配慮すべき事項として、「地域農業振興、地産地消、食育などの公益性が低下しないこと」や、「現在市場で業務を行っている入場業者と十分に協議調整すること」が、付されています。そこで伺います。

2.   提言の配慮すべき事項について

   民間事業者を選定するために必要な事項を審査する、大津市公募提案型地方卸売市場開設者選定委員会の設置にあたり、「現在市場で業務を行っている入場業者と十分に協議調整すること」が出来たとの認識か伺います。

 

◆部長答弁 所属:公設地方卸売市場管理課                      

市場の民営化につきましては、これまでからも入場業者の代表者との意見交換会や各組合、さらには個別の事業者との協議を行ってまいりました。

そして、本年度、設置を予定しております「大津市公募提案型地方卸売市場開設者選定委員会」につきましては、5月に開催の入場業者による理事会や意見交換会で説明し、認識していただいております。

 

※林再質問:

入場業者は市は報告をするだけで協議はしていないと言っている。運営協議会も開いていない。協議をする気がないと受け止められても仕方がない。

 

◆産業観光部長:

 運営協議会につきましては、公設市場の運営、施設整備等必要な事項を協議するために設置したものであり、今回の選定委員会とは別でありますし、別に民設については、別に協議をさしていただいておりますので、この運営委員会を開く必要はないという判断で開いておりませんでした。

 

※林:

 運営協議会を関係ないと言うが、やるべきことをやってないということではないか。充分に協議、調整できたと認識しているのか。

 

◆産業観光部長:

 いままでもそうしてきたつもりでありますし、これからも委員会を立ち上げた以降も、業者と一生懸命協議さしていただいて、民営化に向けて進みたいと思います。

 

※林:運営協議会は開くのか。

 

◆産業観光部長:

 これから起案をして、これから立ち上げて開こうと思いますが、これは民設民営とはまた別の問題でございます。そういう認識でおります。

 

次の質問に移ります。

   「地域農業振興、地産地消、食育などの公益性が低下しないこと」をどのように担保するのか伺います。

 

◆部長答弁 所属:公設地方卸売市場管理課

本市場の開設者が民間事業者であっても、現在と同様の地位の承継を予定していますことから、地産地消や食育をはじめとした卸売市場の役割は変わることがないものと考えます。

 

8益性が低下しない

 民営化で効率化が優先されれば少量多品目への対応や地産地消など丁寧な対応ができなくなるのでは。充分な集荷ができるのかという指摘もある。産地の納品も公営だからという信頼があってこそ。

 

産業観光部長:

 公営から民設になりましたからといって、いま先ほども申し上げたように、そういったものが、機能がなくなるというふうには考えておりません。

 

林:

 食の安全を守り提供する任務がある。その点、もう一度。

 

産業観光部長:

 先ほどから申し上げてますとおりに、公設公営から民設へなりましたからといって、そういう安全が担保されないというふうには考えておりません。

 

次の質問に移ります。

3.   今後の責任ある取り組みを求めて

 2015年4月施行の「フロン排出抑制法」によって、オゾン層を大きく破壊する性質を持つフロンの生産等が 2019年末をもって中止されます。機器の使用中止を求めるものではないので、 2020年以降も使用し続けることは可能ですが、補充用冷媒の入手が困難になり、使用不能になることは早晩避けられません。市場の冷蔵冷凍設備機器のノンフロン化等の設備の更新や老朽化した施設の整備は、開設者である市の管理責任です。

 ところが、市は、建て替えの費用も一切持たず、現状のまま譲渡することを条件に民間事業者を選定されようとしています。さらに市長は、応募が無く選定に至らなかった場合は、市場を廃止することも今年2月8日、市場協会の定例理事会で明言されています。あまりにも無責任です。

 最後に伺います。

   市の卸売市場は、国と県からも補助を受け58億円を費やして1988年に開設されました。減少傾向はあるものの昨年度105億3700万円の取引高で、600名を超える雇用の重要な場であり、安全・安心の市民の食を支える市民の財産です。どうして市場関係者と一体となった発展的な取組が展開できないのか、開設者としての責任あるお答えを伺います。

 

◆部長答弁 所属:公設地方卸売市場管理課                   

本市では、平成27年4月に大津市公設地方卸売市場のあり方検討委員会から「民営化することが望ましい」との提言を受け、現在、民営化を進めているところであります。

市場の運営は、少子高齢化による食糧消費の減少や大手スーパーの進出による小売店の減少など、市場を取り巻く環境が大きく変化していることから、民営化することにより、さらに機能の充実が図られ、より活性化ができるものと期待しております。

今後とも、入場業者の皆様に対し、丁寧な説明を重ねて、さらにご理解を深めていただくよう努力してまいります。

 

※林再質問

 民営化したら活性化するというのがわからない。老朽化した施設では費用がかかる。民営化しても変わらないと言うが信用できないでいる。開設者として責任ある答えを。

 

◆産業観光部長:

 いま議員がおっしゃったことなんですが、いまの施設をそのまま使って民営化する、いろんな考え方あると思います。新しい入場業者が決まり、また建物を建て替える、あるいは何か違う作業をされる。いろんな条件があると思うんです。そういうことを踏まえてですね、そういう公募者を決めて、それで活性化さしていくということを説明さしていただいております。ですので、いまの形のままで市場を引き継ぐということではなくてですね、おっしゃったように空き店舗も増えてますし、そういうところでは民間の力を入れてですね、違う形の魅力をつくって市場をやってくというところを期待を込めて、そういう業者を決めてこれからの市場をやっていくという意味で民設民営化というふうに考えております。

 

※林:

 違う形の魅力を市場業者は納得しているのか。このままでは議会で選定委員会の審議などできない。このまま突き進むつもりなのか。

 

◆産業観光部長:

 先ほども申し上げたとおり、いろいろなお話を、これからも充分さしていただいて民設民営化に向けて進みたいと思います。

 

※再質問は要約しています。民営化ありきの市場業者に寄り添う姿勢のない不誠実な答弁に終始しました。

 

 

障がいのある人の住まいの整備に関する課題について

  • 2018.06.30 Saturday
  • 23:50

 本年3月に策定された「おおつ障害者プラン」には、障害のある人が、住み慣れた地域で安心して生活できるように、地域生活支援拠点の整備を掲げ、障害者の生活を地域全体で支える体制づくりの検討とともに、地域生活促進のため、グループホーム設置に向けた総合的な支援を推進するとしています。

 市では、年次的に20人分の増設を計画し、2020年度には320人分の整備を計画していますが、実現は容易でない現状があります。

 グループホームの設置に関しては、建築基準法や消防法上での規制があります。特に2014年4月より、建築基準法では、障害者グループホームは一般的に「寄宿舎」の規定が適用されることとなりました。「寄宿舎」と取り扱うことにより、建物の廊下や階段幅の改修や防火間仕切りに多大な費用が必要となり、グループホームの整備を促進する上で課題の一つとなっています。

 また、スプリンクラー設備及び自動火災報知設備の設置に関する基準の見直しによって、障害者グループホームなどの障害者施設などについては、従来の面積要件が撤廃され、原則として、スプリンクラー設備の設置が義務付けられています。

 障害支援区分4以上の方が8割以上在籍するグループホームは設置が必要となるため、昨年、市内社会福祉法人のグループホームが、年度途中に利用者のおひとりの障害支援区分が上がったことによって、その時点から設置対象事業所となり、猶予もなく違反事業者として名前が公表されるにいたりました。

 スプリンクラーの設置には多額の費用がかかり、さらに賃貸物件であれば改修の理解が得にくいことや、改修した場合も原状復帰が求められるなど法律で決まったからといって簡単にできることではありません。国庫補助金が交付されるとしても次の年で、到底間に合いません。

 先日、簡易型スプリンクラーの設置をした市内のグループホームを見学させていただきました。利用者の4つの居室、キーパー室、食堂、洗面所の計7カ所で約500万円の費用がかかったということです。

(1枚目)これは食堂兼リビング

(2枚目)そして洗面所です。

部屋が狭くなるため、介助するのが大変です。肌に触れると冷たく、ケガの予防もあり、全面と角にはウレタンが張り付けてあります。

(3枚目)洗面所の天井です。

1カ所のスプリンクラーに消火薬剤が噴出される4つのヘッド、そして2つの熱探知機が取り付けられています。他の部屋も同様です。

 地域型のグループホームが広がらない背景には、地域住民の理解不足、キーパーさんの確保といった課題以外に、スプリンクラーなどの施設の整備が大きな負担となっています。

 そこでお尋ねします。

  1. グループホームにおける火災等に対する安全確保は重要であり、入居者の生命を守ることに最大限の注意を払う必要があることは当然ですが、障害区分の再認定によって、年度途中で区分が重くなり、スプリンクラー設置などの対象事業所となることはどこでも起こり得ます。基準適合に向けた必要な消防用設備の設置に関する計画を作成するなど、誠実に履行していると認められる場合には、猶予期間を設けるべきではありませんか。見解を伺います。
  2. 地域型のグループホームの整備が求められているにもかかわらず、建築基準法や消防法などへの対応が難しく、整備が進まない現状があります。物件によって条件は異なるため、障害福祉課だけでなく、建築、消防など部局を超えて一緒に協議する場を持つことが求められています。グループホームの整備推進策のひとつとして、そういった相談の体制が必要ではないでしょうか。見解を伺います。
  3. おおつ障害者プランに掲げたグループホームの整備目標を達成するために、国に対し施設整備補助の拡充を要望することと併せて、市独自の奨励金などを検討すべきと考えます。見解を伺います。

 

◆消防局長答弁 所属:予防課

 まず始めに、障害のある人の住まいの整備に関する課題についてのうち、1点目の基準適合に向けた必要な消防用設備の設置に関する計画を作成するなど、誠実に履行していると認められる場合には、猶予期間を設けるべきについてでありますが、平成18年に発生した長崎県のグループホーム火災をはじめ、平成22年、平成25年の度重なる同種施設における火災により、多くの利用者が避難の遅れから亡くなられてる状況を踏まえ、消防用設備等の設置基準が強化されており、平成25年12月の消防法施行令の一部改正により、特に避難が困難な障害者等が主として入所されるグループホームにおきましては、平成27年4月1日から面積に関係なくスプリンクラー設備等の設置が義務化されたところであります。

 これらの度重なる火災による消防法令等の改正は、小規模な施設であっても避難が困難な方々が入所される場合には、避難に時間を要することから、施設の規模にかかわらずスプリンクラー設備等を設置いただくことにより火災発生時における安全な避難を確保しようとするものであり、早期にスプリンクラー設備等を設置いただくことが望まれることから、消防局といたしましては年度途中に障害支援区分に変更が生じた場合につきましても猶予期間を設けることなく、現行法令に基づく指導を引き続き実施してまいります。

 また、設置義務違反となった場合は、大津市火災予防条例の規定による公表制度に基づき、他の防火対象物と同様に大津市のホームページで公表し、適切に対応してまいります。

 スプリンクラー設備等を設置することは施設関係者に経済的な負担が生じるものと認識しておりますが、今後も施設の関係者の方々に対しましては、施設利用者の生命、身体及び財産を火災から保護することの必要性や重要性を十分にご理解いただけるよう、適切に対応してまいります。

 

◆部長答弁 所属:障害福祉課

 まず始めに障害のある人の住まいの整備に関する課題についてのうち、グループホームの整備推進策の一つとして相談の体制が必要ではないかについてでありますが、グループホーム等の新規指定に向けた事業者等との協議には、運営面は障害福祉課が、建物設備等のハード面は建築指導課や消防局等がそれぞれ対応しており、障害福祉施設に限らず、他の事業で建物を建築する場合も同様であります。今後とも、整備に向けた協議がスムーズに進むよう、関係課への丁寧な案内に努めるなど、事業者の負担軽減を図ってまいります。

 次に、グループホームの整備目標を達成するために、市独自の奨励金などを検討すべきについてでありますが、新たに策定いたしました「おおつ障害者プラン」に掲げた施策を着実に推進するため、国に対して施設整備補助を求めているところであります。ただ、市独自の奨励金は考えておりません。

障害福祉サービス等報酬改定の影響について

  • 2018.06.30 Saturday
  • 23:40

 本年4月1日からの障害福祉サービス等の報酬改定は、全体では0.47%のプラス改定でしたが、基本報酬や加算のあり方がこれまでとは大きく変更されました。その影響について、障害者施設の全国組織「きょうされん」が、全国の事業所に呼びかけ緊急実態調査を行い、630事業所から得た回答を分析し公表しています。

 この調査から、就労移行支援事業、就労継続支援B型事業、及び、送迎加算について減収の影響が大きく、またグループホームについても減収の影響があることがわかりました。

 就労移行支援事業では、就労定着率による基本報酬が設定され、全体の約7割の事業所が減収の見込みとなっています。とりわけ、定着率を実利用人数ではなく、利用定員で算出することとされ基本報酬が大きく減ってしまいます。一般就労に次々と送り出しては、空いた定員分の利用者確保を継続的に行わなければ評価されない仕組みであり、このままでは、本市内でも多くの事業所が経営難となり、事業変更や事業廃止を考えざるを得ない状況です。

 また、就労継続支援B型事業では、基本報酬が平均工賃月額に応じて7段階となり、7割の事業所が減収となる見込みで、そのうち、200万円以上の減額となる事業所が15%もあります。工賃は低くても、重度の利用者がはたらくことを懸命に実践している事業所は評価されず、特に、余暇活動の充実や生活支援など、就労以外の活動にも重点を置いている事業所は厳しい影響を受けます。前年度に比べて減収となることが見込まれ、20名定員であったところを12名定員に減らした市内事業所もすでにあり、B型つぶしとの怒りの声も伺っています。短時間利用や毎日来られない利用者は、敬遠されることにもなりかねません。

 さらに、平均工賃月額に応じた報酬設定となり、一見すると工賃月額が高い事業所は有利に思えます。しかし目標工賃達成加算が廃止され、送迎加算が自動車の燃費や維持費が低下したことを理由に引き下げとなったことで、平均工賃では上位から2段階目となる平均3万8千円の工賃を支払っている市内の多機能事業所では、430万円の減収となる計算と伺いました。今年度上半期に一般就労への実績を上げなければ、さらに300万円のマイナスで、一千万円近くの減収となることも予想され、今の職員体制を維持するのも難しいレベルで、定員を減らすことも考えているとのことです。

 施設長は「社会福祉法人として、その社会的役割や使命を担っているが、障害者をビジネスの対象とし、福祉の視点が欠けた最悪の改定である」と憤りを込めてお話しされ、私もここまでの影響があるとは想像しておらず深刻さに衝撃を受けました。そこで、伺います。

  1.  今年度からの障害福祉サービス等の報酬改定をどのように評価しているのか伺います。
  2. 今回の報酬改定が市内事業所の運営に及ぼす影響を至急調査・把握すべきだと考えますが、見解を伺います。
  3. 今回の報酬改定による影響で事業変更や事業廃止、重度障害者や短時間利用者の契約拒否といった選別、排除が懸念されます。市として、どのような支援を検討されているのか伺います。

 

◆部長答弁 所属:障害福祉課

 まず始めに障害福祉サービス等報酬改定の影響についてのうち、今年度からの障害福祉サービス等の報酬改定をどのように評価しているのかについてでありますが、今回の報酬改定は、指定障害福祉サービスごとの報酬の偏りを平準化するという取り組みの一環として行われたものであり、報酬改定が実施された障害者の重度化や高齢化への対応や医療的ケア児への支援、就労支援サービスの質の向上など、近年の障害福祉サービスにおける課題への対応を目的とした制度改定となっているものと考えております。

 次に、「今回の報酬改定が市内事業所の運営に及ぼす影響の調査・把握」と次の「市の支援の検討」についてでありますが、国が報酬改定の影響を把握するため、事業所への検証・調査を行う旨を示していることから、その動向を注視していきたいと考えております。   

 

※再質問しましたが、同じ答弁の繰り返しでした。

民主主義の根幹を支える市民共有の知的資源である公文書の適正管理を求めて

  • 2018.06.30 Saturday
  • 23:30

 公文書の意義などを定めた公文書管理法が成立したのは、2009年6月麻生政権の下でした。しかし今、公文書の適正な管理が大きな問題となっています。公文書は、民主主義の根幹を支える国民共有の財産であり、行政機関が行った意思決定の過程や事務、事業の実績について、それが合理的だったのかどうかを国民が検証することが保障されなければなりません。

 公文書管理法34条は、「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない」と、規定しており、公文書管理条例の制定の努力義務が課されています。そこで伺います。

  1. 公文書は、健全な民主主義を支える住民共有の知的資源であり、市政運営について、現在及び将来の市民に説明する責務が全うされるよう、実施機関における経緯も含めた意思決定に至る過程ならびに、事務及び事業の実績を合理的に跡付け検証することができるよう文書等が作成されなければなりません。市長にその認識の有無を伺います。

 

 さて、公文書管理法は、自治体に対し、その保有する文書の適正管理についての必要な施策を策定・実施する努力義務を課しているものの実際は、自治体によって保管ルールも廃棄ルールも大きく異なるようです。

 本市においてはどうでしょうか。自治体は、実施した施策に関して市民に対する説明責任を負います。市民がいつでも検証できるようにしなければなりません。そこで伺います。

  1.  今年2月情報公開請求時に、対象公文書は存在しないと説明を受けたものについて、後日存在が確認され公開されるということがありました。何が原因で、どこに問題があり、どのように改善されたのか伺います。

 

 本市のホームページには、情報公開制度について「大津市では、市民のみなさんの市政への参加と理解・協力を得て公正で信頼される市政運営に努めるため、公文書の公開と市政の情報提供を行っています。」と記載されています。そこで伺います。

  1.  市のホームページ上で述べられている、市民に信頼される市政運営のためには、公文書管理に対する職員の理解を深めることが重要だと考えます。公文書管理に関する職員研修は、どのように実施されているのか伺います。

 

 そもそも何を残すか残さないかは、所管課の判断とされていることが問題です。市民が知りたい大事な会議ほど、協議というような理由付けで議事録を残さない、記録を取らず作成すべき文書が作成されていないとすれば問題です。

 お隣の草津市では、すでに公文書の位置づけを明確にした「草津市市政情報の管理に関する条例」を2012年12月に制定され運用されています。そこで伺います。

  1. 民主主義の根幹を支える市民共有の知的資源である公文書の適正管理のためには、公文書の位置づけを明確にし、文書の取扱を抜本的に見直すことが必要です。見解を伺います。

 

 

◆部長答弁 所属名:コンプライアンス推進室

1点目の「実施機関における経緯も含めた意思決定に至る過程ならびに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう公文書を作成することへの認識」についてでありますが、議員お述べのとおり、平成21年に「公文書等の管理に関する法律」が施行されましたことから、本市おいてもその法の趣旨に鑑み、平成24年4月に施行した「大津市職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例」第4条第6項に「職員等は、職務の執行における手続の明確化及び市政運営の透明化を図るために、施策の意思決定の内容及び過程を適正に記録するよう努めなければならない」ことを規定したところであります。

次に4点目の「公文書の位置づけを明確にし、文書の取扱を抜本的に見直すこと」についてでありますが、先にお答えした本市の条例中に「施策の意思決定の内容及び過程を適正に記録するよう努める」ことを定めるとともに、同条例の解説書を作成し、「個別の行政分野の基本方針等を定める計画」、さらに上位の「市政全体の方針を定める総合計画」及び「市民に多大な影響を与える事務事業の計画等」を施策として位置付け、その策定過程を詳細に記録として残すよう求めています。

また、平成24年度には「大津市コンプライアンス推進指針」を、平成26年度には「コンプライアンスハンドブック」を作成し、この運用を通じて職員への周知、浸透を図っているものであります。

本市といたしましては、公文書が市民の知的財産であることを踏まえ、必要な記録を作成するよう、今後も引き続き、職員への周知徹底を図ってまいります。

 

◆部長答弁 所属名:市政情報課

公文書の適正管理についての内、2点目の、対象公文書は存在しないと説明を受けたものについて、後日存在が確認され公開されたが、何が原因でどこに問題があったのかについてですが、情報公開請求時に応対した主管課職員が記憶に基づき、対象文書は存在しないとその場で判断し、請求者に伝えたことが原因でありました。

また、対象公文書が不存在と認識した場合であっても、まずは情報公開請求を受付し、その後、公文書が存在しないかを厳密に調査した上で、公開、非公開の決定の通知をするのが基本であるのに対して、今回のケースでは、情報公開請求の受付時において、対象公文書は不存在である旨を明言したことが問題であったと考えております。

次に、どのように改善されたかについては、今回の事例を受けて、平成30年5月14日の政策調整会議において、情報公開請求があった場合には、市民の知る権利を十分認識し、慎重に対応する通知をし、徹底を図ったところです。

次に、3点目の公文書管理に関する職員研修は、どのように実施されているのかについてでありますが、職員研修については、毎年度、各所属及び新規採用職員を対象に、文書管理研修を行い、併せて情報公開制度及び個人情報保護制度についても研修を行っております。

適正な公文書の管理は、市民の市政への参加と理解、協力を得て、公正で信頼される市政運営の実現のためには非常に重要なものであると考えますので、今後も計画的に職員研修を進めて参ります。