精神保健福祉対策の充実について

  • 2017.09.24 Sunday
  • 10:35

 政府のカジノ推進本部の有識者会議が、カジノ施設の運営基準の報告書をまとめ、これをふまえてカジノ解禁実施法案を、秋の臨時国会にも提出すると言われています。

 ギャンブルが引き起こす問題は、ギャンブル依存症だけでなく、多重債務やアルコール依存、薬物依存、配偶者・子どもへの暴力などが引き起こす深刻な家庭問題や重大な社会問題を生じさせることにあります。

 国家によるギャンブル推進は、市民の健康被害防止のための保健予防対策の強化を地方自治体に押し付けることにもなります。

 2年前の8月通常会議において、アルコールによる健康障害についての対策を質問いたしました。健康保険部長は、不適切な飲酒は本人の健康障害だけでなく、深刻な家庭問題や重大な社会問題を生じさせるおそれがあるとの認識を示され、適正飲酒の啓発や、保健予防課や、すこやか相談所での相談を行っているとの答弁でした。

 そこで、大津市の5年間の相談件数を調べてみました。(※資料:グラフ投影)

 

 2012年と2016年を比較すると、相談件数も訪問指導件数も3倍近くに、電話やメールでの相談は、3.5倍に、その上に警察などからの緊急対応も1週間に1〜2件はある計算です。このうち、高齢者への対応やアルコールに起因した対応もそれぞれ増え続けています。

 この間も、夫からの暴力によって、深刻なPTSDを発症し、アルコール依存症と診断された市民の方の相談を受けています。ご本人は、なかなか声を挙げられず、判断できないのが実情です。特に女性の場合、世間体を気にしてご本人もご家族も隠すことが多く、相談機関、医療機関になかなかつながらず、子どもへの虐待通報から、依存症であることがわかるケースも少なくありません。アルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症は、交通事故、DV、犯罪、多重債務、精神疾患、自殺などと密接に複雑に絡み合っています。また、見過ごされがちな高齢者のアルコール問題も、深刻化かつ増加しています。

 本人のためだけでなく、家族など周りの人を救うためにも早期発見、早期治療につなぐことが必要です。社会復帰の支援、就労支援等、自立に向けた取り組みも不足しています。

 2016年度から 5 年を期間とする国の「アルコール健康障害対策推進基本計画」では、アルコール依存症の回復に、当事者による自助グループが重要な役割を果たしているが、 行政機関や専門医療機関との連携や交流が近年減少しているとの指摘があります。また、自助グループや民間団体と連携し、その機能を活用するとともに、必要な支援を行っていくことや、回復支援にあたっては女性や高齢者の問題に配慮した対応が必要であることも掲げられています。

 まだまだどこに相談に行けば良いか分からず、また相談窓口によっては 治療や回復支援を行う医療機関、回復施設等の情報を把握していなかったこと等により、必要な支援につながらなかったケースも指摘されています。このため、地域において、相談から治療、回復に至るまで、切れ目なく支援を受けられる体制を構築することが求められています。今年度中には、滋賀県の「アルコール健康障害対策推進基本計画」も策定される予定であり、連携のための協議も必要です。

 そこでお尋ねします。

  1. 相談体制について

 相談体制の増強が急務であると考えますが、増え続ける相談に対応する保健師の体制の課題をどのように認識されているのか、お聞かせください。

 

部長答弁 所属: 保健予防課

 1点目の相談体制についてでありますが、精神保健福祉相談は、すこやか相談所の保健師及び保健予防課の保健師・看護師・精神保健福祉士、事務職により対応をしております。議員のお示しされましたアルコール依存症を含む相談件数は、保健予防課での対応件数であります。相談内容といたしましては、「うつに関する相談」が最も多く、続いて、「診断のついていない心の健康についての相談」、「思春期関係の心の相談」が相談件数としては多くなっております。

 平成25年度から相談件数が伸びておりますのは、自殺未遂者支援として、専門スタッフの「いのちをつなぐ相談員」を配置し、相談・支援を開始したことによるものであります。

 精神福祉相談の現状と課題といたしましては、緊急対応時は、必ず二人体制で出動し、その対応には長時間を要するものも多く、対応する職員の確保に苦慮している現状でありますことから、緊急時の対応職員の充足については課題であると認識しております。

 

  1. 今後の対策について

 相談から治療、回復に至るまでの切れ目のない支援を受けられる体制を構築するために、医療機関や各相談機関、自助グループなどとの連携をどのように進めていくのか。課題と対策をお答えください。

 

 自助グループの活動に対する必要な支援の推進について、どのようなことを検討されているのかお答えください。

 

 アルコール依存症は、飲酒をしていれば誰でもなる可能性があること、飲酒をコントロールできなくなる精神疾患であること、治療や断酒に向けた支援を行うことによって回復を維持できることがまだまだ知られていません。啓発をどのように進めていくのかお答えください。

 

⇒部長答弁 所属: 保健予防課

 2点目の今後の対策についてでありますが、相談から治療、回復に至るまでの切れ目のない支援における課題と対策については、市内に入院できる専門医療機関がないこと、及び回復に向けての広域的なサービス拠点が少ないこと、在宅支援の充実を図ることが課題と考えております。これらの課題への対応としては、滋賀県、関係機関及び自助グループ団体と、まずは情報を共有し、それぞれの役割を整理しながら課題解決に向けての取り組みが必要と考えており、今後、関係機関との協議を進めて参ります。

 次に、自助グループの活動に対する必要な支援の推進についてでありますが、アルコール依存症に関係する自助グループは、現在市内に、2つの団体があり、各団体とも断酒が継続できるために定期的に集まりアルコール依存症から回復に向けた活動に取り組んでおられます。

そのうち1つの団体は、今年で37年目と長きに渡り自主的な活動を地道に続けておられ、近年は本人や家族が体験談としてアルコール依存症と診断されるまでの経過や、断酒会につながり回復を迎えられたことを講演もされております。アルコール依存症からの回復に向けて、断酒を継続するために自助グループの活動が大変重要であることから、市といたしましても自助グループの活動紹介や啓発事業をとおして連携を深めて参ります。

 次に、啓発についてでありますが、健康おおつ21第2次計画に位置づけておりますように、アルコール依存症に対する正しい知識の普及や理解促進のため、体験談の発表や、自助グループとの連携によるアルコール講座の開催や出前講座のメニューを設けるなど、引き続き啓発に努めて参ります。また、アルコールが健康に及ぼす影響など、健康づくりの視点からの啓発についても進めて参ります。

 

※初問のみ記載

 

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