ふるさと納税制度の目的と返礼品の在り方について

  • 2017.09.24 Sunday
  • 09:55

 「ふるさと納税」制度は、出身地や応援したい自治体に寄附し、寄附した人は、住んでいる自治体の住民税と国の所得税の控除を受けられる仕組みです。2008年度から始まり、2015年度からは寄附先が5自治体までなら、確定申告がいらない「ワンストップ特例」が導入されました。寄附金の使い道や返礼品については法令に規定がなく、自治体の判断に任されています。

 本市では、ふるさと納税のより一層の推進を図るとともに、市内産業の活性化に寄与することを目的として、2013年10月から寄附者に対して、市内ふるさと納税応援事業者の特産品等を贈呈する事業を行っています。

 日本共産党は、「ふるさと納税」について、郷里への応援、被災地支援など、その効果は認めています。しかし、本来の趣旨を生かせるよう、自治体の「返礼品」競争の弊害や、富裕層優遇となるおそれがある点について改善の必要性を指摘し、慢性的な地方財源不足解消のために、地方交付税の抜本的拡充を求めています。

 そもそも総務省は「ふるさと納税」の意義の第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択することで、その使われ方を考えるきっかけとなることから、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になるとしています。しかし、現在の過熱した返礼品競争は、納税の大切さや意識の高まりとは逆行していると思わざるを得ません。

 総務省の、ふるさと納税の2016年度実績調査結果によると、大津市に、昨年度いただいた寄附件数は、3,449件、寄附金額約8,900万円で、返礼品の調達に係る費用など、ふるさと納税の募集や受入等に伴う費用は約3,900万円となっています。しかしこの費用には、証明書発行などの関係事務の増加に伴う人件費、郵送料などは含まれていません。年末の確定申告前には駆け込みのふるさと納税が増え、職員は多忙を極めています。

 また、総務省が公表した、今年度課税におけるふるさと納税に係る寄附金税額控除の適用状況によりますと、昨年1年間に大津市民8,128人が寄附した金額は9億5千万円余りで、推計値を含む市民税の控除額は4億円を超えています。

今年 2 月、総務省は、全国知事会、全国市長会及び全国町村会に対し、ふるさと納税の返礼品に関し、課題を洗い出し、改善策を検討するために、意見照会しました。

 全国市長会の回答は、制度の運用によって一定の効果があるとのプラス評価の一方で、多くの都市が自治体間の返礼品競争の過熱を懸念していること。また、寄附件数・寄附金額が増加する中で、寄附金控除による市税収入への影響や、返礼品の調達・発送事務のほか、ワンストップ特例制度導入に伴う関係事務の増加や煩雑化を課題としています。

 県内でも、東近江市の小椋市長が「今の制度は、公平性と公正性が欠落している。返礼品競争を終えるのは国の責任だ」と制度の廃止を訴えておられます。越市長も、4月の定例会見で「税は行政サービスの対価であり、ふるさと納税は趣旨に反する。国は今すぐに廃止すべき」と、述べておられます。

 こうした状況のもとで、2016年度は、寄附額に対し返礼割合の高い返礼品や、返礼品の価格表示の取りやめなどの見直しを実施した自治体、返礼品の送付自体を取りやめた自治体もあります。そして、もともと特段の返礼品の送付を行っていない自治体も多く、県内では野洲市が、そもそも返礼品を設定していません。

 野洲市は、その理由として、一つ目に、現在の寄附金争奪合戦は、寄附先自治体の施策等に関係のないインターネットショッピングのような状態となっており、返礼品の魅力やお値打ち感(還元率)で寄附先を決定するなど、本来の趣旨とかけ離れた、税制度を歪めるものとなっていること。二つ目に、他の市町と同様に「近江牛」等の返礼品を設定し実施することは可能であるが、返礼品重視のふるさと納税に安易に取り組むことは、本来の制度の趣旨に合致せず、また、一過性のものとなる可能性があること。三つ目に、返礼品が無くても、政策への評価や期待感から寄附の実績はあり、これが本制度の本来の姿であること、を挙げています。

 また、京都府長岡京市では、寄附によって地域を応援してもらうという制度の原点に立ち返るとして、昨年9月より返礼品を中止しましたが、寄附金の使途を3事業に限定して、寄附額を増やしています。

 さらに、自治体の課題解決をめざすガバメントクラウドファンディングで、東京都文京区の“命をつなぐ「こども宅食」で、1,000人のこどもと家族を救いたい!”プロジェクトは、目標を超え返礼品もありません。

同様に、佐賀県は“難病と闘う子供たち「毎日の治療」に伴う痛みを和らげるため、研究にご支援を”のプロジェクトでも、目標を超えた寄附が集まっています。佐賀県は、NPO等を指定して寄附し、返礼品は指定されたNPO等が自らの創意工夫によって送ることで、県の事務経費を抑えています。

 その他にも、兵庫県西脇市の“歴史と伝統ある木造校舎の学び舎を残したい!”プロジェクトも返礼品ではなく、小学校内に建設する記念室への希望者の名前掲示とするなど、多くの自治体がそれぞれ、返礼品自体を目的とするのではなく、寄附金の使用目的を明らかにすることで、全国の皆さんの賛同を得ることができ、自治体の魅力を伝えることにもつながっています。

 大津市でも、観光キャラクター「おおつ光ルくん」の着ぐるみの新調費用を、インターネット上で小口の寄附を募るクラウドファンディングで資金を調達した実績があります。

 総務省は今年4月ふるさと納税の募集に関する基本的事項として、寄附を受ける地方団体は、返礼品の送付を強調してふるさと納税を募集することを慎み、ふるさと納税の使途について、地域の実情に応じて創意工夫を図り、あらかじめ十分な周知を行って募集するとともに、寄附金を充当する事業の成果等について、公表や寄附者に対する報告を行うなど、ふるさと納税の目的等が明確に伝わるよう努めることを通知しています。

 そこでお尋ねします。

1. 市長は、ふるさと納税制度の活用で、大津市のどんな魅力を全国に発信しようとしているのか、お聞かせください。

⇒市長答弁 所属:企画調整課

 まず始めに、ふるさと納税制度の活用で大津市のどんな魅力を全国に発信しようとしているのかについてでありますが、まず、ふるさと納税制度については、寄附した金額の多くが、本来行政サービスの対価として納税される税額から控除されることになり、地方税の本旨である受益と負担の原則を損なうものと考えられ、この制度自体を廃止すべきだと考えています。しかしながら、この制度が続く限り、他都市へ寄附されることによる本市の税収の減少の影響として、市民サービスの低下も懸念されることから、本市を応援いただくお礼として、総務省の通知を守ってその範囲で一定のふるさと納税制度の運用を図っているところであります。一方で、ふるさと納税にかかわらず、大津市の魅力を発信することは、大切なことであると考えております。この点、「湖都大津まちづくり寄附条例」第1条においても、「自然、文化、歴史的な資産等を活かした魅力ある大津のまちづくり」を願う個人または団体から寄附金を募ると規定しているところです。

 

2. 市は、ふるさと納税の課題をどのように認識されているのかお答えください。

⇒部長答弁 所属:企画調整課

 市は、ふるさと納税の課題をどのように認識されているのかについてでありますが、本来、税金は市民サービスの対価であり、市民サービスを受けていない他の自治体に寄附することは、税の主旨に反するものと考えます。また、「ふるさと納税」は、平成19年5月の総務大臣の問題提起から始まったもので、その意義は「多くの国民が、地方のふるさとで生まれ、教育を受け、育ち、進学や就職を機に都会へ出て、そこで納税をする。その結果、都会の地方団体は税収を得るが、彼らを育んだ「ふるさと」の地方団体には税収はない。そこで、今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税ができる制度」とするものであります。しかしながら、現在、その意義は、返礼品の良し悪しのみによる寄附金集めという実態に終始し、当初の意義からは大きく乖離しているという課題が生じているものと認識をしております。

 

3. 寄附の本来の目的に立ち返り、返礼品の廃止を含めた見直しが必要だと考えます。見解を伺います。

⇒部長答弁 所属:企画調整課

 寄附の本来の目的に立ち返り、返礼品の廃止を含めた見直しへの見解についてでありますが、ふるさと納税の現状は、只今市長が申し上げましたととおり税法の主旨に添わないものと考えておりますが、この制度が続く限り、他都市へ寄附される事により、本市の税収が減り、そのことによる市民サービスへの影響も生じることから、本市を応援いただくお礼として、総務省の通知を守って、その範囲で一定の返礼品の送付を行ってまいりましたが、今後、国や他都市の動向を見極めながら、一定の見直しも視野に入れた検討をしてまいりたいと考えております。

 

※初問のみ記載

 

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