国保の都道府県単位化に向けた、市民の暮らしを守るための取り組みについて

  • 2017.06.18 Sunday
  • 00:52

 来年2018年4月から、国民健康保険の都道府県単位化が実施されます。国保の都道府県化で高すぎる保険料は安くなるのか、高くなるのかが、被保険者の市民にとって関心事であり大きな問題です。都道府県化の議論にあたり全国知事会の問題意識も、高すぎる保険料でした。知事会からは「少なくとも協会けんぽ並みの保険料とするための1兆円の投入を」との要望が出されましたが、結局は3,400億円のみとなりました。

 厚生労働省は3,400億円の投入で1人1万円の財政効果を強調しますが、3,400億円は、現在の全国市町村による一般会計からの法定外繰入の合計3,900億円よりも少ないのです。これで、果たして安心できる保険制度の運営ができるのでしょうか。

滋賀県では、「持続可能な国民健康保険の運営」という基本理念のもと、「県民が健康な暮らしを送れる、いざという時に安心して医療を受けられる国保制度」をあるべき姿とした「滋賀県国民健康保険運営方針」が、8月中には正式決定される予定です。

 方針案では、県内19市町間の医療費水準格差がほとんどないため、医療費水準は加味せず統一保険料率にすることが明記されています。

滋賀県の試算ベースは、一般会計からの法定外繰入等がないものとして計算し、今年2月に試算を示しましたが、多くの自治体が値下げとなる一方で、大津市は値上げとなる予想となりました。県は、国庫の拠出額が最終的にどうなるかで保険料は大きく変わるため、今の段階で現行よりも高くなるか低くなるかは予測できないとしています。

 来年度の保険料は、今年11月に試算が出て、その後12月の診療報酬改定などを加味し、来年1月に最終案が示される予定です。その後、各市町で保険料を決める作業となります。

 そこでお伺いします。

  1. 滋賀県が示した運営方針案では、あるべき姿を「県民が健康な暮らしを送れる、いざという時に安心して医療を受けられる国保制度」としていますが、同時に「持続可能な国民健康保険の運営」という基本理念も示しています。現在の国民健康保険料が限界を超える高さであるという実態をしっかり認識いただき、「持続可能」ということが優先され、保険料の引き上げとならないよう、被保険者が払える保険料を念頭にした丁寧な議論と、国・県に負担を求めることが重要だと考えます。見解をお伺いします。

 

 

 次に

  1. 県の運営方針案では、法定外の一般会計繰入を2023年度末までに段階的に解消することを基本的な考え方としていますが、最終的には国のガイドラインにもある通り、あくまでも技術的助言であって、保険料賦課決定権限及び予算決定権は、市町にあります。県単位化後も法定外繰入を行うかどうかは、大津市の権限で決められることに変わりはありません。今後も市民の生活実態に合わせて一般会計からの法定外繰入を行い、市民の暮らしを守っていただけるのかお答えください。

 

 これは、決算資料から作成した大津市の過去5年間の国保料の滞納件数と差押件数の推移です。滞納件数が減る一方で、差押件数は増えています。2月議会の我が会派立道議員の質問に対し、健康保険部長からは「保険料が未納となっている世帯については、納付相談により、十分に状況を聞き、生活実態を把握した上で、経済状況にあわせた納付計画により納付をいただいており、強引で機械的な対応はしていない。今後も、生活実態の把握に努め、柔軟で、きめ細かな納付相談などの対応を行っていく」とご答弁いただきました。しかし、格差社会が広がり暮らしに余裕のない市民が増える中で、払いたくても払えない高すぎる保険料だから滞納が起こり、余裕のない職員配置に伴い取り立てのみが強化され、無理やり徴収しようと差押が増えてきたのではないかと大変危惧いたします。

 そこで、お尋ねします。

  1. 滋賀県の運営方針案では、各自治体独自で予防活動に力を入れている事業について、特定検診受診率などの成績に応じてインセンティブが働く仕組みが導入される一方で、人口ごとに保険料の目標収納率が示されています。収納率強化のための無理な取り立てや差し押さえが行われることのないよう、市民の暮らしに寄り添った一層丁寧な対応が必要になると考えますが、見解をお伺いします。

 

 

部長答弁【所属名:保険年金課】

始めに、「国保の県単位化に向けた認識と取り組みについて」でありますが、国民健康保険は国民皆保険制度を支える最後の砦であることから、必要な支出を保険料や国庫負担金等で賄うことにより国保会計の収支を均衡させ、給付と負担のバランスを図ることが持続可能な保険制度であるという認識のもとに今般の国保改革が進められております。また、県の国保運営方針案では制度改革に伴う保険料の急激な上昇が見込まれる場合には、県の財政安定化基金を活用した激変緩和措置等も検討されています。そのことから、持続可能な保険制度であるためには現行の保険制度と同様に国・県の負担が不可欠であり、より一層の公費負担の拡充について引き続き要望を行ってまいります。

次に、「県単位後の法定外繰入」についてでありますが、滋賀県の国保運営方針案では、県内のどこに住んでいても、同じ所得、同じ世帯構成であれば同じ保険料となる保険料率の統一を目指しており、また国民健康保険給付費等交付金の仕組みの導入や財政安定化基金の設置により、国保財政の安定化が図られることから、その必要性は大幅に減少するものと考えています。

したがって、大津市独自で法定外繰入を行って保険料の緩和を図るということは、滋賀県の国保運営方針の方向性と異なるものであり、一般会計からの法定外繰入を過度に行うことには、被保険者以外の納税者に負担を求めることになり、公平性を損なうものであると考えております。

次に、「差押件数増加の対応について」でありますが、保険料の収納対策については保険財政の安定運営や被保険者の公平性の観点から大変重要なものであると考えております。収納率ありきで差し押さえを行っているものではありません。従来から申し上げておりますとおり、今後とも事前調査を十分に行って生活実態の把握に努めるとともに、柔軟できめ細やかな対応を行ってまいります。

 

※最後の項目となったこの質問は、答弁と併せて1人60分の持ち時間の時間切れで、再質問できませんでした。