市民センター機能あり方検討の情報公開から見えた公文書管理について

  • 2018.12.16 Sunday
  • 20:27

 小学校区ごとの各市民センターにある支所機能を36カ所から10カ所へ削減する素案に対し、市内各地から反対の声が上がり、さらに拡がっています。半世紀をかけてつくり上げてきた大津市と地域の関係を根底から覆す大きな方針転換だからです。

 私は、どういう議論を経て素案が作られたのか調査するため、今年7月26日に「市民センター機能のあり方検討に関わる協議の内、市長との協議時の資料や議事録」の公開を請求しましたが、通常15日以内に公開されるものが延長され、1ヶ月以上経過した8月30日に多くが墨塗りで公開されました。

 部分公開の理由が妥当であるとは考えられず、不服審査請求の準備をしていたところ、10月10日に市民からの情報提供があり、議事録の墨塗り部分について、すでに全部公開されていたことがわかりました。ただちに、市に抗議し、公開されていた部分については10月15日にあらためて全部公開されました。さらに、同じ議事録が2015年・2017年に3度にわたり全て公開されていたことも発覚しました。

 この事態を受け、日本共産党市会議員団は、市長の政治姿勢が問われていることを指摘するとともに、市民の知る権利と民主主義を侵す行為だとして、「憲法に基づき市民の知る権利を保障する情報公開の徹底を求める」緊急申し入れを行いました。

 公文書のあり方にしても、支所の削減案に対する3学区の反対署名受け取り拒否の問題も、市民をないがしろにした強引な手法が市民の不信を招いています。

 私は、本年6月議会において、「民主主義の根幹を支える市民共有の知的資源である公文書の適正管理を求めて」質問いたしました。

 その際、市長に対し、公文書の認識を伺ったところ、本市では「大津市職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例」に「職務の執行における手続の明確化及び市政運営の透明化を図るために、施策の意思決定の内容及び過程を適正に記録するよう努めなければならない」と規定していると答えられたのみで、認識については明言されませんでした。

 大津市情報公開条例の第1条には、「市民の公文書の公開を求める権利を明らかにするとともに、市政情報の公開の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、いわゆる市民の知る権利を尊重し、市の有するその諸活動を市民に説明する責務が全うされるようにするとともに、市民の市政への参加を一層促進し、市民の理解と協力を得て、公正で透明な信頼される市政の運営の確保に努め、もって地方自治の本旨に即した市政の推進に寄与することを目的とする」と明記されています。この条例の規定を踏まえたうえで、質問します。

 まず、文書の公開について、お尋ねします。

  1.  「市長との協議時の資料や議事録」の公開請求に対して、ほとんどが墨塗りで部分公開されました。具体的にどのような過程や判断を経て部分公開が決定されたのか、お答えください。

 

  1. 公開決定文書には全面公開をしなかった理由について「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民等の間に混乱を生じさせるおそれがあるため」とありました。しかし、率直な意見の交換や意思決定の中立性のためにこそ、方針決定の過程を知る必要があります。加えて、「不当に市民等の間に混乱を生じさせるおそれがある」とは、どういうことなのでしょうか。ご説明願います。

 

  1. 「市民等の間に混乱を生じさせるおそれがある」として部分公開としながら、過去に公開されていたことを指摘した際、市は「事務的なミスであった」として全部公開しました。さらにその後、市民部長からは「部分公開は適切であった」と説明されました。情報公開請求に対するこうした対応が、憲法に保障された「知る権利」を侵害し、職務の執行における手続の明確化及び市政運営の透明化に反しているとの認識はないのか、見解を伺います。

 次に、文書の作成について、お尋ねします。

  1. 市民センター機能のあり方検討に関わる市長協議の議事録は、わかっているだけでも2016(平成28)年9月6日の協議以降、本年2月8日までの7回にわたって作成されていません。私は、改めてこの7回の協議内容がわかる記録の公開を求めましたが、「記録は作成しておらず、請求のあった公文書は存在しない」と通知されました。一方で資料は、墨塗りはあるものの公開されています。資料を使って協議されているにもかかわらず、どうして記録が作成されていないのでしょうか。理由をお答えください。

 

  1. 総務部長は、6月会議での私の質問に対し、「公文書が市民の知的財産であることを踏まえ、必要な記録を作成するよう、今後も引き続き、職員への周知徹底を図っていく」と答弁されました。市政の重要な意思決定に関わる協議について記録が作成されていないことについて、どのように認識されているのかお答えください。

 

  1. 憲法に基づく市民の知る権利を侵害し、繰り返される公文書の不適切な取り扱いを、今後どのように改善していくのかが問われます。市民から信頼される市政運営には、公文書の作成、保管、公開が公平公正に行われる必要があり、公文書管理を見直しルール化を進めるべきと考えます。見解を伺います。

 

【市民部長答弁 所属:市民センター改革推進室】

 まず始めに、市民センター機能あり方検討の情報公開から見えた公文書管理についてのうち、文書の公開について、1点目の具体的にどのような過程や判断を経て、部分公開が決定されたのかについてでありますが、平成29年11月に市民センター機能等のあり方検討素案をお示しした後、市民の皆様からも多くのご意見をいただき、「より良い案」のとりまとめに向けて、検討を行っているところであり、大津市情報公開条例第7条第5号及び第6号の規定に基づき、率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれ、また、市民等に混乱を生じさせるおそれがあると判断したため、公開請求のあった公文書については、部分公開としたものであります。

 2点目の「不当に市民等の間に混乱を生じさせるおそれがある」とは、どういうことなのかについてでありますが、市民センター機能等のあり方検討素案に対して、市民の皆様から多くのご意見をいただいている現在においては、市における過去の検討や協議に関する情報であっても、公にすることにより、政策・事業等があたかも確実に実施される、又は実施されないかのような市民の誤解や憶測を招くなど、市民等の間に混乱を生じさせるおそれがあると判断したものであります。

 3点目の情報公開請求に対するこうした対応が、憲法に保障された「知る権利」を侵害し、職務の執行における手続の明確化及び市政運営の透明化に反しているとの認識はないのかについてでありますが、公開すべき公文書を部分公開したのは、過去に同様の文書公開がないか確認できていなかったためであり、公開請求のあった公文書の部分公開の判断については、先に述べたとおりであります。しかし、過去の公文書公開請求について確認ができておらず、適切な事務手続きができていなかったと考えております。

 次に、文書の作成について、資料を使って協議されているにもかかわらず、どうして記録が作成されていないのかについてでありますが、市民センター機能等のあり方検討については、意思決定を行うための組織として、平成27年6月に副市長を委員長とする「大津市市民センター機能等の在り方検討委員会」を設置し、検討を進めて参りました。

 市民センター機能等のあり方検討の意思決定については、委員会の議事録を作成しております。

 

【総務部長答弁 所属:コンプライアンス推進室】

 2点目の「記録が作成されていないことについて、どのように認識しているか」についてでありますが、大津市職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例第4条第6項においては、職員の職務の執行に係る基本姿勢として、「施策の意思決定の内容及び過程を適正に記録するよう努めなければならない」と定めております。同条例の解説書では、「施策」の定義を「個別の行政分野の基本方針等を定める計画」、さらに上位の「市政全体の方針を定める総合計画」及び「市民に多大な影響を与える事務事業の計画等」としているところであり、また、この条項は、施策の意思決定に係る決裁文書がより具体的・より明確に記載されることを求めているものである、としております。

 議事録等の決裁文書以外の文書については、作成の要否を定めた条例・規則や内規はなく、個別の事案に応じて判断されるものと認識しております。

 次に3点目の「公文書管理を見直し、ルール化を進めることについて」でありますが、先にお答えいたしましたとおり、本市の条例の規定及び同解説書に基づいて、今後もその趣旨や内容の浸透と条例の適正な運用に注力して参ります。

 

【政策調整部長答弁  所属:市政情報課】

 文書の作成についてのうち、3点目の公文書の保管、公開のルール化についてでありますが、現在、本市では「大津市文書取扱規程」及び「大津市情報公開条例」において、文書の保管と情報公開について規定し、適正な運用に努めているところです。

 今回の事案を受けて、情報公開については、主管課において細心の注意をもって対応するとともに、市政情報課においても過去の情報公開請求一覧をパソコン上のライブラリに掲載し、二重に確認することについて、情報公開条例事務取扱要領に記載し、これらのことを10月31日の部長会議において、周知、徹底を図り、再発防止に努めたところであります。

 また、今月20日には情報公開・個人情報保護等に係る所属長研修会を予定しており、適正な運用が図れるよう周知、徹底をしてまいります。

 

【再問要旨】

  1. 墨塗りにしたのは誰の判断か。
  2. 「誤解や憶測を招く」のは隠すからではないか。部分公開が適切であるなら、市民はどうしたら協議の内容を知ることができるのか。
  3. 議事録の作成。2期目の越市政になって作成されていない。どうして作成していないのか。
  4. 文書が作成されていなければ、研修しても意味がいない。文書が作成されていないことについてどう考えるか。

 

【市民部長答弁】

 まず1点目に、誰の判断でこのようになったのかということだったと思います。これにつきましては、部長決裁、決裁権者は部長でございますので私の判断ということになります。

 2点目、隠しているから憶測を生むんではないのかというご質問です。市民のみなさまには必要な情報は提供をさせていただいておりますので、隠してるということではございません。

 3点目につきまして、なぜ以前はあったのに協議の議事録がないのかということですけれども、先ほども申し上げましたとおり、平成27年6月に副市長を委員長とする「大津市市民センター機能等のあり方検討委員会」を設置しております。その場についての議事録についてはきちんと残しておりますので、それで対応しております。

 

【総務部長答弁】

 文書のあり方について再度のお尋ねということであろうかと思います。何よりも市民が求めていることに対して、わかりやすく、そして明快に答えることが本意だというふうに思っています。文書の公開のあり方も含めて、職員一人一人が説明責任を果たせるような、そういった姿勢が大事だということで、このコンプライアンス条例の中には、職員のモラルであるとか、あるいは仕事に対する意識であるとか、文書を作成するにあたって、これは常に市民の目に、責任を持って説明するべきだという意識を持った上で仕事にあたるべきだというふうなことが書かれているというふうに認識しております。したがって、こういったコンプライアンスの条例について、さらに職員の認識が深まるように、浸透させるように今後も努めてまいりたい、いうふうに考えております。

 

【政策調整部長答弁】

 文書の作成という意味での答弁になるかと思いますが、いまも総務部長がお答えしましたように、文書の作成につきましては「大津市職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例」、これをしっかり、それぞれの職員が徹底すること、これが大事だと考えております。その上で、情報公開条例でありますとか文書取り扱い規程、これにもしっかりと、徹底することによって市民への公文書の作成、それと開示、保存、この3つの点から、それぞれしっかりと市の責任を果たしていきたいとこのように考えております。

 

【再再問要旨】

  1. 市民部長は必要な情報が市民に公開されていると答弁したが、私は必要だから請求して、必要な部分が墨塗りされていた。出席者の記録もない。「不当に市民等の間に混乱を生じさせるおそれがある」という理由を濫用されたら、市にとって都合の悪いことは公開されないことになる。それをどう考えるか。
  2. 総務部長は説明責任を果たすと言い、政策調整部長は公正にと言うが市民が求める文書が公開、作成されていない。もう一度答弁を求める。

 

【市民部長答弁】

 先ほども申し上げましたとおり、市民センターの機能等のあり方検討につきましては、平成27年6月からあり方検討委員会というのを設けて実施をしております。この場において、いろんなことを決めて意思決定しておりますので、ここの部分についての議事録については、きちんとお示しをして、どういった議論があって、いま現在に至っているかっていうのはわかっていただけるというふうに考えております。

 

【総務部長答弁】

 市民への説明責任がこれで果たせてるかどうか、ということであろうかと思います。この件に関しては、それが果たせているかどうかというのは、私には少し判断がしかねますが、仕事を進める上において各職員が、常に正しい情報を、説明責任を果たすことをもって仕事をしているか、文書を作成しているかということになると、少しやや疑問なところもあろうかと思います。これまですべてが、そういったことを念頭に置きながら、あるいは頭に置きながら仕事がされてきたかと言うと、ひょっとしたらそうではなかったかもしれません。従いまして、この条例をさらに浸透さして説明責任が果たせるような仕事の仕方、文書の作り方、そういうことを常に心に抱いて仕事をさせること、これを浸透させてまいりたいというふうに考えております。

 

【政策調整部長答弁】

 いまも文書の作成から開示、保存といったことになろうかと思います。その部分につきまして、総務部とも今後もまた連携して、そういったものが着実にできるよう、さらにそういった姿勢をもって臨んでいきたいと、このように考えております。

 

【再再再問要旨】

市民部長は、あり方検討委員会で意思決定されていると言うが、議事録で市長は「じゃあそれでお願いします。」と発言している。お願いされてるんじゃないのか。市長の発言が「意思決定」ではないのか。

 

【市民部長答弁】

 今回のこの大津市市民センター機能等のあり方につきましては、先ほども申し上げております、検討委員会の中で意思決定をしております。市長のお考えについては、事前に充分相談をしながら、私どもの事務局として聞き取ってはおりますけれども、最終的な意思決定は、あり方検討委員会というふうになっております。

 

※市が、市民との率直な意見交換を心から求めるのであれば、削減素案の検討過程をすべて明らかにすべきです。これまでの市民センターのあり方を大きく変える、公民館のコミセン化や支所集約は、市のまちづくり、市民の暮らしにとって大きな転換です。市長協議の議事録も当然作成され、公開されなければ検証もできません。これからも、追及の手は緩めません。