市民一人ひとりの尊厳ある葬儀から埋葬までの課題解決に向けて

  • 2018.12.16 Sunday
  • 20:10

 厚生労働省が今年9月14日に公表した「社会保障を支える世代に関する意識調査」で、今後充実させる必要があると考える社会保障制度のトップは「老後の所得保障」で、約71%でした。また、この秋、日本共産党が行った「大津市民アンケート」においても、11月末現在で3000通に迫る返信をいただき、ここでも、「今後、力を入れてほしい施策」のトップは高齢者支援です。この願いの背景には、長寿命を喜んでばかりはいられない厳しい暮らしの現実があります。生活保護を利用する高齢者世帯も増え続け、高齢者の“貧困化”が進んでいます。

 また、最期まで自分らしい人生を送るための準備として、人生の終わりに向けた活動の略語である、「終活」という言葉も一般的となりました。人生の最期をどのように迎えるかは、高齢化社会において大きな関心事です。

 大津市でも例外ではありません。今年は市制120周年ですが、60年前の本市の人口は、11万人と現在の1/3以下でした。瀬田や堅田との合併もありましたが、1970年、80年代の人口急増期に多くの方が市外から転入され、定住された方々が、年齢を重ね高齢化が進んでいます。

このような背景のもと、身寄りのない高齢者や、子ども世代に頼れない、世話をかけたくないと考える高齢者も多く、また、残されたご家族の経済的な理由などから、葬儀や埋葬の在り方も変化しています。

 私も先日、他に身寄りのない叔母を市内の病院で看取り、待ったなしの葬儀に直面することとなりました。突然の訃報から時間がない中で、希望し納得する葬儀を選択することは大変難しいものだと実感したところです。大津市斎場葬儀を取り扱っている業者に連絡したにもかかわらず、当初、斎場葬儀プランではない高額な料金を提示されました。違うことを指摘し、簡素なものにしましたが、様々なオプションによって加算され、プラン料金ではとても収まりませんでした。事前にきちんと調べておくべきでしたが、親族の心情としてはなかなか複雑です。いざという時に、必要な情報をわかりやすく市民に提供してほしいと感じました。

 私たち共産党市議団には、葬儀の費用について深刻なご相談が寄せられます。生活保護利用者は、葬祭扶助制度によって、最低限の葬儀は行えますが、葬儀を執り行う遺族が生活保護利用者でない場合は適用されません。大津聖苑や志賀聖苑を利用した斎場葬儀プランの、葬儀をしない「直葬」を利用しても最低12万円かかります。国民健康保険や後期高齢者医療制度の葬祭費は、申請すれば5万円が葬祭執行者に対して支給されますが、支給まで1〜2か月かかります。社会福祉協議会の貸付金制度も時間がかかって間に合いません。仮に、生活に困窮された市民が、経済的な困難からご遺体を放置されれば、死体遺棄罪に問われてしまいます。全国では、実際に悲しい事件が起こっています。

 まず、葬儀に関わる問題についてお尋ねします。

  1. 経済的な理由で葬儀にお困りの市民について、支援する体制が必要ではないでしょうか、お答えください。
  2. 大津市斎場葬儀についてのわかりやすいホームページづくりも求められます。利用案内を、PDFだけでなく24時間受付の大津聖苑・志賀聖苑の電話番号がひと目でわかるようにすることや、市内取扱葬儀業者の情報、通夜や葬儀時間、ペースメーカーの申告などの諸注意も含め、最新情報を掲載するなどの改善が必要と考えます。見解を伺います。
  3. 全国的に火葬炉の順番待ちという事態が増えています。関東では、亡くなられてから5日から1週間かかるといった話も伺います。大津市においては余裕があるとのことですが、施設の老朽化が懸念されます。高齢者人口は増加しており今後を見通し、ニーズ予測のもとで、施設整備が計画的に行われる必要があります。見解を伺います。

 次に、埋葬の問題についてお尋ねします。

 墓地、埋葬等に関する法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的としています。

 そこでお尋ねします。

  1. 少子・高齢化や核家族化などにより、お墓を継承していくことが困難となるなど、お墓をめぐる状況も変化しています。無縁墓が社会問題化し、墓じまいへの関心も高くなっています。また、遺族に負担をかけたくないことなどから散骨を選択される方も増えています。散骨については、墓地埋葬法に規定がないため、合法でも違法でもないグレーゾーンに置かれており、法的規制がないことによる無秩序な「散骨ビジネス」も問題化しています。多様化する埋葬について、市民のニーズを把握する必要があると考えます。見解を伺います。

 今、社会状況の変化に対応して、継承の心配が要らない合葬式のお墓「合葬墓」を整備する自治体が増えています。行政による合葬墓の提供は、1993(平成5)年に横浜市で開設されたのがはじめのようです。近年整備されてきた近隣自治体の状況を聞き取りまとめましたので、ご覧ください。

※資料投影

 これらの自治体では、アンケートなどのニーズ調査の結果、市民の多くが墓地の継承に不安を感じていることや、納骨堂や合葬式のお墓のニーズが高いことから整備をしてこられました。規模や方式に違いはあるものの、宗旨・宗派を問わず納骨でき、各市で大変喜ばれ予想を上回る受付件数となっていると伺っています。

 これは、昨年12月に完成した、明石市の合葬式墓地の全体と参拝スペース、個別安置室、記名版です。

 これは、今年2月完成の宝塚市の合葬式墓所全体と合葬墓です。墓石不要、維持管理不要、納骨後の後継者不要、生前申込可能、バリアフリーで安心を謳っています。

 最後に、来年4月に供用開始予定の高槻市です。合葬墓の整備を進めるにあたり、市民の皆さんの投票で、4つのデザインから、A案が選ばれました。

※投影終了

 そこでお尋ねします。

  1. 厚生労働省は、2000(平成12)年の墓地経営・管理の指針において、「墓地については、その公共性、公益性にかんがみ、住民に対する基礎的なサービスとして需要に応じて行政が計画的に供給することが望ましい」としています。本市におきましても、家族や子孫の有無にかかわらず、すべての市民が等しく遺骨の収蔵場所を確保できる仕組みの構築が必要ではないでしょうか。市民の尊厳ある最期の安寧を保障する「合葬墓」整備の検討をはじめるべきと考えますが、見解を伺います。

 

【市民部長答弁 所属:戸籍住民課】

 まず始めに、葬儀に関わる問題についての1点目の経済的な理由で葬儀にお困りの市民への支援体制についてですが、本市及び指定管理者にご相談があった場合は、福祉施策等を担当する部局の窓口をご案内しております。今後も、ご相談があった場合には、状況をお聞きし適宜適切にご案内してまいります。

 2点目の大津市斎場葬儀についてのわかりやすいホームページづくりにつきましては、現在、本市のホームページにおきましては利用料金などの情報提供をしているところでありますが、今後も、指定管理者と協力しながら、葬儀の申込連絡先が入手しやすく、申込方法や葬儀の内容などの情報がわかりやすくなるように、表現や各ページのリンク先を工夫してまいりたいと考えております。

 つぎに、3点目の計画的な施設整備につきましては、これまでから指定管理者による計画的な点検と修繕、また、本市においても指定管理者からの報告に基づき必要な修繕を行っております。

 近年高齢化社会により火葬件数も増加傾向にあり、斎場が市民生活にとってなくてはならない重要な施設であること、また施設を稼動しながら整備していかなければならないことなどから、今後も計画的に必要な整備を行ってまいります。

 つぎに、埋葬の問題についてのうち1点目の多様化する埋葬についての市民ニーズの把握についてでございますが、本市及び斎場には各種納骨方法についてのお問い合わせが年間に数件あり、その方法も多様化していることは認識しております。

 議員お述べのとおり、今後一層お墓をめぐる状況も変化していくことも考えられることから、その状況について認識を深めていく必要があると考えております。

 2点目の「合葬墓」整備の検討につきましては、「合葬墓」も多様化する納骨方法の1つであると認識しておりますが、大津市で市が主体となって「合葬墓」を整備する予定はありません。

 

【再問要旨】

 合葬墓について。にべもない答えだったが、ニーズはある。検討をはじめていくべきではないか。

 

【再問 市民部長答弁】

 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、確かに議員おっしゃっていただきましたとおり、合葬墓につきましても1つの納骨方法の、1つであるということは充分認識もしております。現在については、とくに合葬墓を整備するというふうな予定はございませんので、できましたら今後、他市の状況なんかは調べてまいりたいというふうには思っております。

 

※消極的な答弁でしたが、大津市においても必要とされている方がたくさんおられます。今後も求めていきたいと思います。