議案142号、大津市太陽光発電設備の設置の規制等に関する条例の制定について

  • 2017.12.17 Sunday
  • 17:07

 大型の太陽光発電施設に関して、森林の伐採や、地滑り地域への建設、住環境への悪影響など、「乱開発」による住民との対立が全国で起きています。日本では環境規制が弱く、事業化に当たってきちんとしたルールや規制を整備しないまま、利益追求を優先した結果でもあります。大津市においても例外ではありません。日本共産党大津市会議員団は、当初より議会において問題を指摘し、再生可能エネルギーの健全な普及のためにも、しっかりとしたルールづくりを要求してきました。

 今議会に、太陽光発電設備の設置に関して必要な規制等を行うものとして、条例案が上程されたことは、歓迎するものですが、日々の暮らしの中で不安を抱いておられる市民の皆さんの立場から、数点質問を行います。

 まず、規制対象について伺います。

 今回の条例案では、発電出力が「50kW以上」の大規模発電所を規制対象としています。産業用太陽光発電設備は、発電能力が「10kW以上50kW未満」を「低圧連系による小規模発電所」、「50kW以上」を「高圧連系による大規模発電所」と種別されます。この2つは、法制上の取り扱いが大きく異なります。

 50kW以上の太陽光発電設備を設置しようとすると、管轄消防署等への「保安規程の届け出」と「電気主任技術者の選任」の義務が発生します。また設置工事においても、第一種又は認定電気工事従事者が作業を行う必要があります。

 一方で、50kW未満の場合は保安や維持管理等の届け出は必要なく、設置工事も第二種電気工事士以上で行うことができます。電気主任技術者の選任も必要がありませんので、技術者への年間契約料等を支払う必要もありません。コスト面や手続きの煩雑さを考えた場合、50kW以上設置できる広さがあったとしても、50kW未満で抑えようと考えても不思議ではありません。

 こういったメリットがあることから、50kW未満の太陽光発電設備は今後も伸びていく可能性が高く、各メーカーや施工販売会社、不動産業者も、新しい商品、保証など、「50kW未満」にまつわる様々な商品サービスを打ち出し、積極的に展開しています。あるメーカーの「小規模発電所パック」では、商品は10kW〜50kWまで用意されていて、50kWの場合、設置に必要な面積は1000屐300坪程度)とされており、ホームページに示された設置事例では、面積:975屐295坪)、発電能力:49.28kwとなっています。

 そこでお尋ねします。

  1. およそ2年前となる2016年2月議会で我が会派の杉浦議員の質問に対し、当時の環境部長は、主に事業用として設置される10kW以上の設備が市内に663件あると答えておられます。10kW以上50kW未満の設備、及び50kW以上の設備の直近の件数を伺います。

 次に

  1. 今回の条例案では、規制対象を事業区域の面積1,000岼幣紂高低差が13mを超えるもの、発電出力が50kW以上と規定しています。その理由及び条例案でカバーできない事業用設備の件数を伺います。

 次に

  1. 栃木県日光市でも、太陽光発電についての規制条例を12月定例会に上程予定ですが、許可・届出が必要となる事業は出力10kW以上です。大津市においても、10kW以上を条例の規制対象とすべきではありませんか。見解を伺います。

 次に

  1. 規制対象とならない、面積1,000嵬に、高低差13m未満、50kW未満の事業用太陽光発電の設置について、どのように市民の不安にこたえ、生活環境を守っていかれるのか伺います。

 次に、チェック体制についてお尋ねします。

  1. 各地で、壊れた発電設備が放置され問題となっています。条例案では、設備及び事業区域を常時安全かつ良好な状態に維持しなければならないと保全義務を定めていますが、日々の保全はどのようにチェックし指導をされるのか、伺います。

 続いて

  1. 日光市の条例案では、太陽光発電設備の設置と地域環境の調和に関する重要事項を調査し審議するための、日光市太陽光発電設備設置審議会を置くことが盛り込まれました。本市でも住民や専門家を交えた協議体制づくりが必要ではないかと考えますが、見解を伺います。

   次に、条例施行までの対応についてお尋ねします。

  1. 年4月1日施行予定とされています。条例施行までの駆け込みの需要に対して、どのような対応を取られるのか伺います。


部長答弁【所属:まちづくり計画課】
 まず始めに、1項目めの規制対象についてのうち、1点目の太陽光発電設備の導入件数についてでありますが、資源エネルギー庁の公表データによりますと、10kW以上50kW未満の設備の導入件数は、853件、50kW以上の設備の導入件数は、51件となっております。

 次に2点目の規制対象規模等についてでありますが、太陽光発電は、国策として推進されていることから、対象規模については、意見聴取会において、意見をいただき慎重に検討してまいりました。

 その結果、自然公園法、都市計画法、滋賀県景観行政団体協議会の標準モデル、電気事業法の規定に準じ、事業区域面積が1,000屬鯆兇┐襪發痢高低差13mを超えるもの、発電出力50kW以上のものを対象規模として設定いたしました。

 また、新設で条例の規制対象とならない事業用設備の件数については、正確な件数は不明でありますが、資源エネルギー庁の公表データでは、新設予定の設備件数は、697件となっております。

 次に3点目の10kW以上を条例の規制対象とすることについてでありますが、2点目の答弁のとおり、規制対象規模については、  意見聴取会でのご意見をもとに自然公園法などの各種関係法令を準用したものであることから、今回の条例では、10kW以上については、規制対象とする考えはございません。

 4点目の条例の規制対象とならない設備の設置への対応についてでありますが、現在策定しているガイドラインに基づき、規制対象外の設備についても協力を求めてまいります。

 次に2項目めのチェック体制についてのうち、1点目の保全のチェックについてでありますが、危険な状態が確認された場合には、必要な措置を行うように監督処分によって対応してまいります。

 次に2点目の審議会の設置についてでありますが、本市では、禁止区域を設定するほか、事業の実施について特に配慮が必要と認められる区域を抑制区域に設定し、より慎重に審査を行うこととしていることから、審議会を設置する予定はございません。

 次に3項目めの条例施行までの対応についてでありますが、個別法令に基づき、引き続き、事前協議制度などにより、庁内関係部局と連携し、条例の基準に従うよう事業者に対して協議を求めてまいります。

 

※初問とその答弁のみ記載しています。再生可能エネルギーの普及は大切ですが、環境や市民の暮らしを脅かすことのないよう、ルールやチェック体制が機能するかが肝心です。