誰もが自分らしく輝ける社会の実現に向け、男女共同参画推進事業の充実を求めて

  • 2017.12.17 Sunday
  • 16:30

 皆さん、来る12月17日は、何の日がご存知でしょうか。1945年12月17日、改正衆議院議員選挙法(50年に公職選挙法に統合)が公布され、20歳以上の男女に平等な選挙権が認められました。翌年の1946年4月10日、戦後第1回総選挙で初の女性参政権が行使され、39人の女性議員が誕生しました。日本共産党は、戦前から主権在民、女性参政権の実現をかかげてたたかってきました。女性参政権の実現は、国民主権、両性の平等を保障する日本国憲法(46年11月3日公布)と一体のものです。それから72年になりますが、誰もが輝ける社会は実現しているでしょうか。

 11月2日「世界経済フォーラム」は、男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」の報告書(2017年版)を発表しました。日本は世界144カ国中114位となり、過去最低だった前年の111位からさらに後退しました。主要7カ国(G7)では、今年も最下位です。安倍政権が掲げる「女性活躍」は、空虚でしかありません。

 ジェンダー格差指数は、経済参画、政治参画、教育、健康の4分野で、男女平等の度合いを指数化して順位を決めています。日本がひときわ遅れているのが、政治参画で、前年の103位から123位へと後退しました。11月2日付朝日新聞によりますと、慶応大学の小林良彰教授の調べでは、女性議員比率が高い国ほど、民主主義の度合いやGDPに占める教育費の割合が高く、軍事費の割合が低い傾向がみられたということです。女性議員比率の上位15カ国のうち、14カ国は選挙が比例代表制で、小林教授は「女性が家事・育児と選挙運動を両立させながら、定数1の小選挙区で当選することは難しい。女性を増やすには選挙制度の見直しも不可欠だ」と指摘をされています。

 また、女性議員が増えない背景には、選挙制度や政党の姿勢に加えて、候補者を選ぶ政党の地方組織や地域社会が、未だ「男性中心」であるとの指摘もあります。

 先日、本市で初めての女性議長である仲野議長の公約として取り組まれた女子学生議会は、政治に参画するという意識改革の取り組みとして、女子学生に積極的に発言する機会を与えるものとなり良かったと思います。傍聴席は、一緒に研究に取り組んだという男子学生でいっぱいでした。当初、女子学生という限定を否定的に受け止める声もありましたが、「男性中心」の意識改革には、働きかけが必要です。参加学生の中から、将来おひとりでも、議員として活躍されることを期待するものです。

さて、本市の第3次男女共同参画推進計画も5か年計画の2年目を迎えています。「女性活躍の推進」「固定的性別役割分担意識の見直しと意識の変革」「多様性の尊重」を基本的視点とし、計画の具体化に取り組まれています。

 女性に限らず、全ての人々が多様な個性を認め、自分らしく輝ける大津市を実現するために、以下の質問をいたします。

 まず、男女共同参画推進事業のあり方について伺います。本市議会では、議会として執行部とは違った視点をもって、費用対効果や市民ニーズとの整合性等を広く評価・検証し、議会としての監視機能を発揮するとともに、この評価を決算や予算に反映し、さらには新たな施策等につなげることで議事機関としての役割を果たすことを目的として、この10月に決算常任委員会の各分科会において、行政評価を行い、提言書としてまとめました。委員全員の意見が一致しまとめた事業の中に、男女共同参画推進事業もあります。

 そこでお尋ねします。

  1. 本市議会は、男女共同参画推進事業を、長く続けていかなければならないことは認めたうえで、OtsuプロジェクトWの有効性について疑問を呈し、女性活躍の視点だけでなく、男性とともに取り組む工夫の必要性などを提言し、見直しの上で継続することとしました。執行部は、どのような課題認識をされているのかお聞かせください。

 次に、固定的性別役割分担意識について伺います。

 本市の2014年度男女共同参画に関する市民意識調査の結果からも、固定的な性別役割分担意識が市民の中に根強く残っているといえ、第3次大津市男女共同参画推進計画においても、「施策1」に「男女共同参画意識の啓発」として、固定的性別役割分担意識を解消していくための実践と検証を掲げています。実現のためには、幅広い世代への働きかけが必要だと考えます。

例えば、姫路市では「男女の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進」を重点的課題として位置づけ、男性対象の啓発講座や、家事・育児・介護等についての実技を交えた実践的講座を開催されています。

 同市の「男のセルフマネジメント講座 〜これからの男性に必要な生きる術を身につける〜」は、世間でいう“男の役割”にとらわれない「自分らしさ」「自分らしい生き方」について考え、自分の生活を見つめ直す機会を提供し、男性自身の固定的性別役割分担意識の解消と、男性にとっての男女共同参画の意義の理解促進を図ることを目的として取り組まれています。

 同様に、静岡市では“団塊世代の男性向け講座を通じた第2の人生の応援”として、「団塊世代の男性向けの定年後の生活講座」に取り組まれています。

 そこでお尋ねします。

  1. 女性活躍推進事業OtsuプロジェクトWでは、「男性従業員向けの育児休業奨励金制度」や「父と子のつどい」、「ハッピー育Men」に取り組まれていますが、子育て世代だけでなく、世代を超えて広く男性に働きかける取り組みが必要ではないでしょうか。見解を伺います。

 次に、ワークライフバランスの推進に向けて伺います。

 「働き方改革」が声高に叫ばれていますが、未だ長時間労働は是正されず、過労死も後を絶ちません。父親の育児参加などを推進しているNPOファザーリングジャパンは、今年8月に従業員50名以上の企業に勤める中間管理職(課長と部長)1,044名を対象に働き方改革推進に対する意識、および、推進における課題を明らかにすることを目的として「管理職の本音(ボスジレンマ)調査」を行いました。

 「働き方改革」で部下の残業削減や休暇取得を推進しているものの、部下の労働時間が短くなった分、そのしわ寄せは課長が受けており、46%の課長が「3年前と比べて自分の業務量が増加した」と回答しています。会社からの必要なサポートについて、課長の意見が最も集中したのが「業務量の削減」で、断トツの56%です。長時間労働、残業を減らせというなら、まず業務量を減らしてくれというのが本音ということです。

 市内の労働相談でも、持ち帰り残業が増えている実態があり、シフト勤務のある、看護や介護の現場はさらに過酷な働き方が強いられています。市内病院で2交代勤務をする看護師は前日16時から翌日9時までの超・長時間労働で、医療事故の不安も訴えておられます。

 そこでお尋ねします。

  1. 第3次大津市男女共同参画推進計画では、「施策5」で仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の推進には、まず長時間労働削減の推進を掲げています。長時間労働の是正が進まず、ワークライフバランスとは裏腹な実態にあることについて、何が課題であると認識し、どんな取り組みをしているのか伺います。

 また、働く女性にとってはもちろんのこと、人権を尊重し労働基準法にのっとった職場環境は、特に重要となります。労働相談でも問題となっているのが、雇用契約書を交わしていない、就業規則を知らない、そういった存在すら知らないし見たこともない、最低賃金すら知らないということです。また、パワハラが横行し、シフトに入れてもらえないといった相談もあります。

 そこでお尋ねします。

  1. 働く人が知っておかないと不利益を被る基本的な制度などの啓発や、事業者への指導はどのように行われているのか伺います。


⇒部長答弁 【所属:人権・男女共同参画課】

 Otsuプロジェクト-Wの有効性についてですが、「男女共同参画社会」や「女性が輝く社会」に向けて取り組む姿勢は、本市にとって時宜を得た重要な事業して評価できるものと考えております。

 また、事務事業評価シートの指標における目標数値達成という面では十分でないことは課題として認識をいたしておりますが、一方で平成28年度男女共同参画推進計画の進捗結果では、全庁的な対象事業実施率は、ほぼ9割であり、それぞれの関係所属で所管の事業に努力いただき、一定の実績を積み上げてきているものと考えております。事務事業評価シートにおける指標は高い目標値を設定しているものの、今後は、それぞれの目標達成に向けて努力をしてまいります。
 一方で、現行の取組事業が総花的になっているとのご意見もいただいていることも踏まえて、これを整理するとともに「男女共同参画」「女性の活躍」に資する取組は、全庁あげて、それぞれの所管で推進していくことが求められるものであり、このことから、人権・男女共同参画課及び女性力室は、総括的かつ総合的観点から、こうした全庁にわたる取組を関連計画の進捗状況として把握し、全体の推進に資するとともに役割も果たせるよう努めてまいります。

 次に、固定的性別役割分担意識についてですが、男性に働きかける取組につきましては、第3次大津市男女共同参画推進計画の「施策5仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進」の(2)「男性の家事・育児・介護への参画の推進」において、6項目12の取組を示しております。「ハッピー“育Men”」の他にも「男性向けの料理教室」や「男性介護者の集い」「初めてのパパママ教室」などに取り組んでいるところであります。

 また、Otsuプロジェクト-W事業のうち「ホンネ座談会」においては、今年度は、女性社員に限定せず、男性の管理職や経営者にも参画いただくことで、男性の意識啓発と実践を目指しております。

 加えて、平成29年3月に開設をいたしました「おおつ女性チアリングポータル“Smile League”」において、開設当初より男性向けページを設け、「男性ロールモデル」や「ハッピー“育Men”」に係る取組等について紹介するなどして、積極的な情報発信に努めたいと考えているところであります。

 次に長時間労働の是正が進まないことに対する課題についてですが、議員お述べのファザーリング・ジャパンが独自に全国的に実施をされた「ボスジレンマ調査」の結果によりますと、管理職自身の「業務量の増加」や「会社から管理職へのサポートが不十分であること」、また、「部下自身の意識向上が求められていること」などが、整理されているところであり、これら是正がすすまない要因とも言えるものと考えております。

 このことに対する取組といたしましては、男女共同参画推進計画の施策5の(1)「長時間労働削減の推進」において、「企業内人権啓発研修会」や「市内事業所向けフォーラム」「研修会」を通じて、時間外労働を削減し、働き方を見直す機会の提供に努めることとしております。

 また、市役所においても率先して取組を進めるため、「働き方改革に向けた職員研修会」の実施や、先般の働き方改革アクションプランの提案を踏まえた、市長をはじめとする任命権者による大津市版イクボス宣言「えボス宣言」と言っておりますが、これを行い、時間外勤務の削減については平成25年度対比で平成29年10月末現在、月一人あたり28.9%削減を達成しており、これらのさらなる推進をめざすこととしたところであります。


⇒部長答弁 【所属:商工労働政策課】

ワークライフバランスの推進についてのうち、2点目の働く人が知っておかないと不利益を被る基本的な制度などの啓発や、事業者への指導についてでありますが、本市では、事業所の方々に、企業内人権啓発事業主及び人権啓発担当者研修会やワークライフバランスセミナーを通じて、職場において遵守されるべき基本的な制度などについて周知啓発を行っております。

また、企業内人権啓発に係る企業訪問において、研修会への参加やより良い職場づくりのリーダーとなる人材の育成を促し、ワークライフバランスを通して、働きやすい職場環境づくりの推進に努めるとともに国の行政指導に協力しております。

 

※初問とその答弁のみ記載しています。引き続き、誰もが働きやすい環境づくりを求めていきます。