多摩市公契約条例について

  • 2016.07.19 Tuesday
  • 00:04

  2010年の市長選で多摩市の現市長が公約の一つとして掲げたのが、公契約条例の制定であった。市発注の工事・委託等に携わる労働者の賃金、労働条件の低下を防止することで、労働者の生活の安定と、事業者の適正な競争による経営の安定を図り、市民は安全かつ良質なサービスを受けることが出来る。合わせて「公共サービス基本条例」を制定することによって公共サービスの質を向上させることを目指していくことで、官製ワーキングプア―のない、豊かな地域づくりを実現させることができるとしたからである。

 事業者アンケートの実施による意見徴収も職員自ら行い、賃金や給与の実態についても調べた。その後労働者団体の代表も加えた審査委員会を設置し、会議は公開で行った。事業者懇談会などを経て、H23年12月議会で全会一致で可決された。

 対象は、予定価格5千万円以上の工事請負契約、予定価格1千万円以上で一定の業種・種目のもの、公の施設の指定管理、その他に市長が特に必要と認めるものとした。元々高賃金なものは含まず、ダンピングされやすいものを認めたということであった。元請の受注者はもちろん、下請けに雇用されている労働者、派遣労働者、一人親方も含まれる。労務報酬下限額は、生活保護水準を下回らない額とし、熟練労働者については別途定めた。なお、工事に関しては、熟練労働者の割合を80%以上と定めている。

 もし条例に違反した場合は、必要な措置を講ずることにしているが、これまで1件もないとのことである。なお、事業者の負担となっている労務台帳の改善や、労働者への周知などを課題としている。

 最小の経費で最大の効果とは何なのか。市民の安全を守るためにはダンピングを許さない。委託経費が上がるのは必要経費だと力を込めて語られたのが強く心に残った。大津市においても、労働者の生活の安定と市民の安全のために、公契約条例の制定は必要不可欠であると考える。

 

 

多摩市議会議場を見学させていただきました!

ふじみ衛生組合のごみ処理施設について

  • 2016.07.18 Monday
  • 23:51

  

 まず、その場所に驚く。ふじみ衛生組合のごみ処理施設は、三鷹市と調布市の境界で、三鷹市役所に隣接した住宅街にある。花壇やグリーンがとても多く手入れも行き届き、匂いは全く感じられない。三鷹市と調布市合計40万人分のごみを共同処理し、大津市の人口よりも多いが、処理能力は288t/日と大津市の予定しているものよりさらに小さい。高効率発電施設も備えているが、一人ひとりに対し資源化や減らす呼びかけを行い、ごみ処理の基本は3Rであることが徹底されている印象である。プラスチックごみに関しても、全量焼却という考えは最初からなく、資源化できるものはお金がかかってもリサイクルするのが当たり前で、発電できるから燃やせば良いという意見は市民からは出なかったということである。また、同様に多額のお金をかけても、最終処分量をゼロにする選択をし、エコセメント化を実現している。

 終始、市民の考えを重視し、何事も市民参加で丁寧に事業を進められている印象であった。学識経験者や職員に市民20名を加えた「新ごみ処理施設整備基本計画検討委員会」では、委員会15回、勉強会20回、施設見学会8回、アンケート1回、シンポジウム2回を行い、施設規模や処理方式、建設候補地から事業方式までを決めている。その後「ふじみ新ごみ処理施設整備市民検討会」を設置し、34回の委員会に加え6回の施設見学会を実施し煙突の高さから、焼却炉の炉数、白煙防止装置の有無などが検討された。加えて、町会・自治会からだけではなく公募された市民も加えた「ふじみ衛生組合地元協議会」では、地域環境の保全や公害防止対策、交通安全対策、情報の公開、異常発生時の措置などが協議され、協定書が締結された。

 三鷹市・調布市では、丁寧な協議などの結果、ごみの処理にはお金がかかることを市民が理解されている。市民とともに新ごみ処理施設を計画段階から作り上げたふじみ衛生組合から学ぶものは多い。ごみ処理施設の建設・運営は長期にわたって多額の負担がかかる計画である。市民参加による丁寧な協議と情報の公開が、本来大津市においても必要であったと考える。大津市においては、事業方式をDBOと決定し、今年度中に事業者選定を終える計画である。今からでも、事業計画の説明などのシンポジウムが必要ではないか。もともと大津市民は水源である琵琶湖を大切にし環境意識は高いと考える。何よりも安全で環境に配慮した焼却施設となるよう、透明性を持たせ市民に理解を得る努力をしなければならない。

 

千葉県流山市の新総合事業について

  • 2016.07.18 Monday
  • 23:21

 

 東京都心から30匏内の近郊住宅都市として発展してきた流山市は、人口18万人弱で毎年3千人増加を続けているが、高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合で、内閣府の平成27年版高齢社会白書によると、全国の高齢化率は26.0%で前年より0.9%増。ちなみに大津市は25.1%である。)23.9%と全国平均よりは低いものの毎年プラスとなっており、北部地域では30%を超えている。

 高齢化が迫る中、高齢者が中心のまちとなっても、まちの活力を維持し、いきいきと輝くために、総合事業のルールに合わせるのではなく、手段として活用するため「地域へ飛び出せ!」と、職員自ら、地域包括支援センターへアンケート調査を行い、地域にどのような資源があるかを調査、分析されている。同時に、地域の組織・団体・グループに呼びかけ、有償ボランティア活動を行うNPO法人やシルバー人材センター、生活協同組合が、訪問型サービスに、高齢者ふれあいの家などを身近な介護予防の拠点にと、積極的に地域に飛び出し、現状を視察し情報交換を重ねることによって、新たな解決策も生まれたとのこと。ながいき応援団、高齢者ふれあいの家支援事業、介護支援サポーター事業、薬局薬剤師を活用した介護予防把握事業など、地域の要望に根差した新事業は、職員自らが積極的に地域に関わって要望をくみ取り作り上げた。

 大津市でもまず、細かく地域ごとの現状と課題を洗い出すべきであろう。その時に大事なのは昨今多用される調査会社まかせにせず、必要な人員配置をして、職員には地域に飛び出し直接市民の声に耳を傾けていただきたい。

 ただ、流山市でも、住民参加型サービスの担い手や支えあいの仕組みに、高齢者を中心として地域住民をどのように巻き込んでいくかを課題としてあげている。そもそも時間的にも経済的にも余裕のない高齢者も多く、地域活動の担い手にも不足する現状で、自助努力と助け合いを押しつける国のやり方に地方自治体は翻弄されていると感じる。

総社市新生活交通「雪舟くん」って?

  • 2015.08.02 Sunday
  • 14:25
 7月23日、岡山県総社市へお邪魔した。総社市は、人口67,820人と大津市の五分の一だが、面積は二分の一ある。地域を4つのエリアに分け、市民がよく使う共通エリアと結ぶ、総社市新生活交通システム「雪舟くん」は、議会に特別委員会を設置してから1年後に本格運行を開始している。あくまでも、現在の地域公共交通対策にかかっている予算の範囲内での見直しとの方針通り、今年度予算も導入前のH22年度予算を超えていない。
 当初、バス・タクシー会社から猛反対の声が上がったが、「雪舟くん」の運行を委託することで乗り切っている。(タクシー事業者5社・バス事業者2社/委託料1台1時間2,200円)現行、8人乗り4台、5人乗り5台であるが、ドア・トゥ・ドアの原則を考えると小型車の導入を検討する可能性もあるとの話であった。
 運行は、平日のみで、運賃は1回乗車毎に300円(障がい者・介助者は200円)で、1週間から1時間前までに予約をする。庁舎内にオペレーター室があり、5人の地元を熟知した女性オペレーターが丁寧に応対し、また、市長・担当課からも「彼女たちのおかげ」と評価されているのが印象的であった。山間の自宅まで向かう途中の山道で、キャンセルもあるとの事例もお話しいただいたが、特に高齢の利用者にとってはありがたい生活の足であると認識した。

「雪舟くん」パンフレットとオペレーター室。右端が、突如駆けつけてくださった片岡市長。


 
 

総社市「障がい者千人雇用」について

  • 2015.08.02 Sunday
  • 14:00
 7月23日続いて、総社市にて「障がい者千人雇用」についてお話を伺った。
 事業のきっかけは、H20年のリーマンショックで市内において2,000人以上が職を失うという大打撃があり、有効求人倍率は過去最低の0.29倍に落ち込む中、こんなときこそ支援すべきは「障がい者」!という市長の肝いりで、就労可能な障がい者1,200人の就労を目指しスタートした。リーマンショック後、いわゆる健常者の就職もままならないのに、市長を指し「殿、ご乱心!」の発言もあったとのこと。
 翌々年、新設される県立支援学校の設立を誘致したが叶わず、お隣の倉敷市に決定したことを受け、支援学校卒業後の働く場所は総社市が担うという強い決意により、「障がい者千人雇用」が今年度末までの5カ年計画で始まった。千人雇用体制を支える三本の矢として、市役所とハローワーク、そして庁舎内に新たに障がい者千人雇用センターが設置され、連携して、障がい者の雇用を支える体制がとられている。工賃アップのためのアイディアも市が提供できるよう奔走しているとのことである。
 効果はてきめんで、就労者数は、一般・福祉的就労合計で、4年前180人であったものが、現在865人である。それに伴い、市負担の経費も8千万円から3億を超すまでに膨らんだが、市長によればそれは織り込み済みとのこと。
 今後、障がい者一人ひとりが安心して人生を幸せに生きることができる社会づくりのために、0歳児から高齢期の共住支援までのライフステージの一貫した支援を目指すとしている。障がいのある子どもが生まれたとき、地域で支えてくれる安心感がある。不安な卒業後の進路にも多様な選択肢が用意されている。高齢になれば誰しも、何らかの障がいと無縁ではない。障がいのある人が暮らしやすい社会は、地域で暮らす住民にとっても安心できる優しい暮らしやすい社会である。


 

 雪舟くん、障がい者千人雇用、他にも地産池消に力を注ぐ給食を実施している総社市。少しの時間であったが、橋本龍太郎の元秘書だったという片岡市長にもお会いした。フットワークの軽さと熱意あふれる首長との印象だったが、当日も平和行進を出迎えるだけではなく横断幕を持って歩いてこられたと、同じく行進してきた共産党市議から後で聞いた。日本で二番目に利用者が多いという丹頂鶴が見えることで有名な国民宿舎横の青果物売店で、減農薬有機栽培の白桃4個を650円で購入し帰途に就いた。今度は家族で、ジューシーな白桃を買いに行きたい!