国保の都道府県単位化に向けた、市民の暮らしを守るための取り組みについて

  • 2017.06.18 Sunday
  • 00:52

 来年2018年4月から、国民健康保険の都道府県単位化が実施されます。国保の都道府県化で高すぎる保険料は安くなるのか、高くなるのかが、被保険者の市民にとって関心事であり大きな問題です。都道府県化の議論にあたり全国知事会の問題意識も、高すぎる保険料でした。知事会からは「少なくとも協会けんぽ並みの保険料とするための1兆円の投入を」との要望が出されましたが、結局は3,400億円のみとなりました。

 厚生労働省は3,400億円の投入で1人1万円の財政効果を強調しますが、3,400億円は、現在の全国市町村による一般会計からの法定外繰入の合計3,900億円よりも少ないのです。これで、果たして安心できる保険制度の運営ができるのでしょうか。

滋賀県では、「持続可能な国民健康保険の運営」という基本理念のもと、「県民が健康な暮らしを送れる、いざという時に安心して医療を受けられる国保制度」をあるべき姿とした「滋賀県国民健康保険運営方針」が、8月中には正式決定される予定です。

 方針案では、県内19市町間の医療費水準格差がほとんどないため、医療費水準は加味せず統一保険料率にすることが明記されています。

滋賀県の試算ベースは、一般会計からの法定外繰入等がないものとして計算し、今年2月に試算を示しましたが、多くの自治体が値下げとなる一方で、大津市は値上げとなる予想となりました。県は、国庫の拠出額が最終的にどうなるかで保険料は大きく変わるため、今の段階で現行よりも高くなるか低くなるかは予測できないとしています。

 来年度の保険料は、今年11月に試算が出て、その後12月の診療報酬改定などを加味し、来年1月に最終案が示される予定です。その後、各市町で保険料を決める作業となります。

 そこでお伺いします。

  1. 滋賀県が示した運営方針案では、あるべき姿を「県民が健康な暮らしを送れる、いざという時に安心して医療を受けられる国保制度」としていますが、同時に「持続可能な国民健康保険の運営」という基本理念も示しています。現在の国民健康保険料が限界を超える高さであるという実態をしっかり認識いただき、「持続可能」ということが優先され、保険料の引き上げとならないよう、被保険者が払える保険料を念頭にした丁寧な議論と、国・県に負担を求めることが重要だと考えます。見解をお伺いします。

 

 

 次に

  1. 県の運営方針案では、法定外の一般会計繰入を2023年度末までに段階的に解消することを基本的な考え方としていますが、最終的には国のガイドラインにもある通り、あくまでも技術的助言であって、保険料賦課決定権限及び予算決定権は、市町にあります。県単位化後も法定外繰入を行うかどうかは、大津市の権限で決められることに変わりはありません。今後も市民の生活実態に合わせて一般会計からの法定外繰入を行い、市民の暮らしを守っていただけるのかお答えください。

 

 これは、決算資料から作成した大津市の過去5年間の国保料の滞納件数と差押件数の推移です。滞納件数が減る一方で、差押件数は増えています。2月議会の我が会派立道議員の質問に対し、健康保険部長からは「保険料が未納となっている世帯については、納付相談により、十分に状況を聞き、生活実態を把握した上で、経済状況にあわせた納付計画により納付をいただいており、強引で機械的な対応はしていない。今後も、生活実態の把握に努め、柔軟で、きめ細かな納付相談などの対応を行っていく」とご答弁いただきました。しかし、格差社会が広がり暮らしに余裕のない市民が増える中で、払いたくても払えない高すぎる保険料だから滞納が起こり、余裕のない職員配置に伴い取り立てのみが強化され、無理やり徴収しようと差押が増えてきたのではないかと大変危惧いたします。

 そこで、お尋ねします。

  1. 滋賀県の運営方針案では、各自治体独自で予防活動に力を入れている事業について、特定検診受診率などの成績に応じてインセンティブが働く仕組みが導入される一方で、人口ごとに保険料の目標収納率が示されています。収納率強化のための無理な取り立てや差し押さえが行われることのないよう、市民の暮らしに寄り添った一層丁寧な対応が必要になると考えますが、見解をお伺いします。

 

 

部長答弁【所属名:保険年金課】

始めに、「国保の県単位化に向けた認識と取り組みについて」でありますが、国民健康保険は国民皆保険制度を支える最後の砦であることから、必要な支出を保険料や国庫負担金等で賄うことにより国保会計の収支を均衡させ、給付と負担のバランスを図ることが持続可能な保険制度であるという認識のもとに今般の国保改革が進められております。また、県の国保運営方針案では制度改革に伴う保険料の急激な上昇が見込まれる場合には、県の財政安定化基金を活用した激変緩和措置等も検討されています。そのことから、持続可能な保険制度であるためには現行の保険制度と同様に国・県の負担が不可欠であり、より一層の公費負担の拡充について引き続き要望を行ってまいります。

次に、「県単位後の法定外繰入」についてでありますが、滋賀県の国保運営方針案では、県内のどこに住んでいても、同じ所得、同じ世帯構成であれば同じ保険料となる保険料率の統一を目指しており、また国民健康保険給付費等交付金の仕組みの導入や財政安定化基金の設置により、国保財政の安定化が図られることから、その必要性は大幅に減少するものと考えています。

したがって、大津市独自で法定外繰入を行って保険料の緩和を図るということは、滋賀県の国保運営方針の方向性と異なるものであり、一般会計からの法定外繰入を過度に行うことには、被保険者以外の納税者に負担を求めることになり、公平性を損なうものであると考えております。

次に、「差押件数増加の対応について」でありますが、保険料の収納対策については保険財政の安定運営や被保険者の公平性の観点から大変重要なものであると考えております。収納率ありきで差し押さえを行っているものではありません。従来から申し上げておりますとおり、今後とも事前調査を十分に行って生活実態の把握に努めるとともに、柔軟できめ細やかな対応を行ってまいります。

 

※最後の項目となったこの質問は、答弁と併せて1人60分の持ち時間の時間切れで、再質問できませんでした。

過密化が進む児童クラブの環境整備と人員体制について

  • 2017.06.18 Sunday
  • 00:37

 大津市では、児童クラブのニーズの高まりから施設整備が追い付かず過密化の状況が続いています。

夏休みを目前に控えて、今年度も多くの児童クラブから、場所の確保、指導員の確保の不安を伺っています。今年5月1日現在のデータで、一番児童数の多い平野の160人を筆頭に、100人を超えているクラブは12か所に上っています。加えて、夏休み入所が30〜40人、多いところは50〜60人の増員になるのではないかと予想されています。待ち望まれていた瀬田東・青山の増築工事も進めていただいていますが、一番大変な夏休み当初の10日〜2週間には間に合いそうにないと伺っています。今でさえ基準となる児童1人当たりの専用面積1.65屬隆霆爐蓮37か所のうち、15か所が満たしていない状況です。

 過密化、指導員不足から、重篤な事故がいつ起きてもおかしくない状況であると、その責任の重さも、指導員は感じておられます。ましてや夏休みには子どもたちが一気に増え過密さが増します。エアコンを稼働しても29℃、30℃を下らず、多数の子が鼻血を出すなど劣悪な環境が続き、その上に指導員は、慣れない状況の子どもたちへの対応、特別な支援が必要な気になる子どもへの対応など、先延ばしにできない対応に一日中追われます。そのうえ、7月中は学生バイトも見つかりにくく、指導員不足のまま夏休み保育が始まることになります。

ここで、計画的に整備されている東近江市の施設の一部を見ていただきたいと思います。

新築された八日市こどもの家のヽ梓僉↓∧欅藜次↓ユニバーサルトイレです。増築された八日市南こどもの家のヽ梓僉↓∧欅藜次↓D翰室です。移転した図書館を改修した、五個荘こどもの家のヽ梓僉↓∋務室兼静養室、J欅藜爾任后整備計画に沿って計画的に新設、増築、改修がされ、男女別のトイレはもちろんのこと、新設や改修に合わせて可能な限りユニバーサルデザインのトイレも設置され、具合が悪くなった時の静養室も同様に整備されています。

 児童クラブは生活の場です。男女別のトイレの整備も、会話も聞き取れないほどの音の反響についても、まだまだ整備が必要だと伺っています。「ただいま!」と帰ってきたくなる、雨の日でも安心して過ごせる施設整備は、子どもたちの健やかな成長に必要かつ当然ではありませんか。他市と比べても狭隘で遅れた施設整備に「建物が子どもを育むんです!」と言われた指導員の言葉が印象的でした。

 そこでお尋ねします。

  1. 目前の夏休み保育の受け入れについて、子どもたちの安全はもちろん保育の質を保障するために、昨年の課題をどのように認識され改善をされたのか、指導員の体制も含めて、対策を伺います。

 

次に

  1. 地元自治会のご厚意により借用している瀬田第二児童クラブについての一年前の私の質問に対し、当時福祉子ども部の部長であった鷲見副市長は「小学校施設に余裕ができるまでの当面の対策と考えている」と答えられました。しかし、瀬田小学校は大津市一のマンモス化が問題となっており、空き教室を期待できる状態ではありません。早急に大津市が責任をもって開設すべきであり、児童クラブの過密化の解消に向けた年次的な施設整備の計画が必要です。見解を伺います。

 

 次に

  1. 子どもたちの健やかな成長には、懸案である指導員不足の解消が急務です。国は、昨年度末に放課後児童クラブに従事する放課後児童支援員について、勤続年数や研修実績等に応じた賃金改善に要する費用を補助する、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善の新規事業を導入しました。大津市においても、指導員不足解消のための処遇改善に向けて、積極的に活用すべきではありませんか。見解を伺います。

     

 

◆部長答弁【所属名:児童クラブ課】

 まず始めに、夏休み保育の受け入れ体制ですが、夏休みのみに児童クラブに入所してくる児童は、1000人を超え、そのニーズに応えるには、小学校等の活用が必要であると考えております。昨年度、小学校等の協力を得て、必要な箇所全てにおいて、施設をお借りすることができました。今年度も小学校をはじめ、幼稚園等に要請し、昨年度同様に、借用の了解を得ているところでございます。続いて夏休みの指導員の体制についてですが、昨年度76人の指導員と16人の用務員を確保し、さらに人材派遣にて2箇所の児童クラブに人材を派遣し、その体制の充実に努めたところでございます。今年度については、現在、人員の募集中ですが、万全な体制に向け最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

 次に過密化の解消に向けた施設整備についてですが、第2瀬田児童クラブにつきましては、地元の子ども達のためにと自治連合会のご理解、ご協力のもと、大江会館別館を借用して、2年目となります。現状、地元の方々のご利用に一定の制限がかかっていることも認識しておりますが、現在の時点では、当面、お借りしたいと考えており、今後の瀬田小学校の児童数の推移を慎重に見極めながら、方策を検討してまいりたいと考えております。

 次に、指導員の処遇改善についてですが、嘱託指導員の報酬については、これまでの定期昇給のほか、3年連続でベースアップしておりますが、国の新しい処遇改善策の活用につきましては、他市の状況を見極めて、検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、児童の保育環境の充実のため、さらなる工夫を重ねて指導員の確保に努めてまいりたいと考えております。

 

※初問とその答弁のみ掲載しています。

 

瀬田地域で顕著な過大規模学校の対策について

  • 2017.06.17 Saturday
  • 15:37

 大津市は、学校の状況や課題と検討の方向性についてまとめた「大津市立小中学校規模等適正化ビジョン」を策定しました。教育的観点により、学校規模を全学年でクラス替えができない規模を小規模な学校、児童生徒数が1,200人以上の規模を大規模な学校、それ以外の規模の3つに分けて適正化を進めるとしています。本日は、特に学校の大規模化の問題に絞って質問いたします。

 国は、2015年1月27日付、公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引で、一般に大規模校には次のような課題が生じる可能性があるとし、7項目にわたってその問題点を指摘し、過大規模校については速やかにその解消を図るよう設置者に対して促しています。

ヽ惺珊垰等において、係や役割分担のない子供が現れる可能性があるなど、一人 一人が活躍する場や機会が少なくなる場合がある

⊇乎沈験茲砲いても同学年の結び付きが中心となり、異学年交流の機会が設定しにくくなる場合がある

F嘘愬でもお互いの顔や名前を知らないなど、児童生徒間の人間関係が希薄化する場合がある

ざ軌集団として、児童生徒一人一人の個性や行動を把握し、きめ細かな指導を行うことが困難であり、問題行動が発生しやすい場合がある

セ童生徒一人当たりの校舎面積、運動場面積等が著しく狭くなった場合、教育活動の展開に支障が生じる場合がある

ζ段牟擬爾簑琉藉曄▲廖璽訶の利用に当たって授業の割当てや調整が難しくなる場合がある

С惺傘娠珍竿未砲錣燭蝓校長が一体的なマネジメントを行ったり、教職員が十分な共通理解を図ったりする上で支障が生じる場合がある

以上が、国から指摘されている7項目です。

そこでお尋ねします。

  1. 教育長は、教育環境の保障という観点から、大規模校のリスクをどのように認識しておられるのか見解を伺います。

 

 この表は、今年5月1日現在の市内の小中学校の学級数及び人数について、学級が25以上の市内の小・中学校を学級数の多い順に並べたものです。国は、特別支援学級を含まない12〜18学級を標準とし、25学級を大規模校、31学級以上を過大規模校と分類しています。これを大津市にあてはめますと、8校が大規模校、4校が過大規模校となり、瀬田地域の4つの小学校、2つの中学校がすべて含まれます。最大の瀬田小学校は36学級で、1,185人に達しますが、大津市では、過大規模校でもなく、大規模校とも分類されていません。地域別適正化ビジョンにも「現在、東部地域には児童生徒数が1,200人を超える大規模な学校はありません」と明記されています。

 ちなみに、瀬田と同じく人口増加の続く草津市に伺いましたところ、31学級にならないよう整備に努めてきたとのことで、今年度、志津小学校が草津市で最大の27学級、特別支援学級を含むと31学級になりましたが、5月1日現在の在籍数は856人です。草津市最大で晴嵐小学校よりも少ない人数です。隣接した地域でありながら、学習環境の差を感じざるを得ません。

そこでお尋ねします。

  1. 大津市は地域別適正化ビジョンで、児童生徒数1,200人以上を大規模な学校としています。1,200人未満は適正だと認識されているのであれば、現在市内には大規模な学校は1校も存在しないことになります。見解を伺います。

 

 市の適正化ビジョンには教育環境の充実に向けて、大規模な学校は分離新設の検討も上げています。この間、特に市東部地域では、人口の増加に伴い児童生徒数も増加を続けてきました。

これは、瀬田4学区の小学校児童数の2003年からの推移です。

 瀬田北小学校では、児童数の増加により2004年度から通学区域の一部を瀬田小学校と瀬田東小学校に変更し、児童保護者に負担を強いることとなり、地域に混乱をもたらしました。

そして、今度は瀬田小学校の児童生徒数の増加によって、今後1,300名から1,400名規模となることが予想されることから、瀬田北小学校の児童生徒の通学区域を本来の北学区に戻すことの説明会及び意向調査と、併せて、瀬田小学校の一部地域の保護者に対して、2019年度からの瀬田南小学校への通学区域の見直しの是非を問う説明会及び意向調査が行われました。

保護者や地元自治会からは、通学区域の見直しという子どもたちに負担を強いて、地域コミュニティの破壊につながる小手先だけの対応に、大変厳しい意見が寄せられています。

 瀬田小学校は、絶対的に教室数が不足し、2年後の2019年度には、もはや内部改修では対応できません。

 そこでお尋ねします。

  1. 児童生徒一人ひとりの教育を保障するために、大津市の適正化ビジョンで示されているように、大規模な学校は「学校の分離新設」「学校の増改築」の検討がされてきたのか、急がれる今後の対策と併せてお伺いします。

 

◆教育長答弁【所属名:学校教育課】

まず、始めに、瀬田地域で顕著な過大規模学校の対策についてのうち、大規模校のリスクについてでありますが、教育委員会といたしましては、小規模な学校、大規模な学校それぞれ利点や課題があると考えております。小・中学校の大規模校にあっては、議員お述べの通り、いくつかの課題が生じる可能性があると捉えております。

特に、全校の児童が一斉に教室を移動する時などには、物理的な余裕が少なく、安全に配慮するため時間を要することとなります。また、理科室や音楽室、図書室、そして体育館、プール等を授業で利用する場合には、調整が難しくなってくることも考えられます。

このように、教育環境の保障という観点において、課題が生じる場合もあると認識しております。

 

◆教育長答弁【所属名:教育総務課】

次に、大規模校の認識についてのうち、児童生徒数1,200人未満の学校規模が「適正」であるかの見解についてでありますが、大津市立小中学校規模等適正化ビジョンでは、学校規模を、全学年でクラス替えができない規模、児童生徒数が1,200人以上の規模、それ以外の規模の3つの区分に分けて適正化を進めています。

具体的には、全ての学校において、今後の児童生徒数の予測や地域の実情等を踏まえ、学校規模に応じたより良い教育環境の充実策を検討してまいります。

次に、大規模校の対策についてでありますが、大津市立小中学校規模等適正化ビジョンでは、大規模な学校における教育環境の充実策として、議員お述べの2項目に加え、「通学区域の見直し」「教職員の増加」を挙げております。大規模校については、学習環境の改善や児童生徒数の調整等を図るため、これらの充実策を参考とし、保護者や地域とともに実施に向けて検討を重ねていることとしており、教育委員会では、実現可能性を考慮に入れながら必要な検討を行ってきたところであります。

今後につきましても、同様の検討を行い、適時適切な対策を講じてまいります。

 

※初問とその答弁のみ掲載しています。

公共施設の適正化は現在の36学区を活かしたまちづくりの一環で

  • 2017.06.17 Saturday
  • 14:45

 

 公共施設の急速な老朽化による修繕などの更新にかかる費用の増大や、人口減少や少子高齢化が進行するとして、全国的に公共施設のマネジメントの取り組みが進められています。

  大津市では、今後、30年後までに将来コストを30%縮減することが必要だとして、公共施設の延床面積15%削減、事業手法の見直しや新たな財源確保で15%縮減することを目標としました。今後、公共施設の適正化に向けた個別具体的な検討がされ、個別計画が示される予定です。

  しかし、公共施設は文字通り公共サービスを提供する施設であり、採算を基準に配置するものではないはずです。民間の施設であれば、周辺の人口が減って採算が取れなくなれば撤退もありますが、もともと公共施設は市場ベースではすべての市民に必要なサービスが受けられないために、税金を使って整備しているものです。重要な点は、大津市のどこに住んでいても同じようにサービスが受けられるようにするということではないでしょうか。

 学校などの教育施設や、市民センターなどの暮らしに密着した施設ほど、施設数も面積が大きいのも当然のことです。市の方針では、人口が減るから面積を減らす、コストがかかるから維持できないとして、統廃合や機能の集約を行い適正規模にして維持するとしていますが、日常的に使う施設ほど、原則として徒歩で通える適正距離に配置されなければ、生活が成り立ちません。高齢化社会に適合させるのであればなおさらです。

 そこでお尋ねします。

  1. 市長は、市民が大切にして守り続けてきた小学校を中心にして形成された、特色ある36学区の地域の活動や文化をどのように認識しておられるのか、見解を伺います。

 

 次に、人口が減少するからとの理由で、公共施設を統廃合すれば、生活は不便になり、地域は成り立たなくなります。さらなる人口減少を生み、地域を守る人もいなくなり、山や川、田んぼは荒れ果て、環境の悪化も招きます。

そこでお尋ねします。

  1. 「住み続けたいまちづくり」のためには、少子化・高齢化社会へのきめ細やかな対策が欠かせません。日常的に使う公共施設は、規模より配置を優先し、小学校区単位に整備することが基本であり、今ある多様で豊かな36学区を活かす市政こそが求められていると考えます。市長の明快な答弁を求めます。

 

 次に、大津市民の暮らしにしっかりと根付いている市民センターは、全国に誇れる市民の財産であると言えます。現在の「市民センター」は、1学区1市民センターを基本に、市民に身近な行政機関として、市内36か所に設置し運営されています。大津市は、数度の編入合併を繰り返し形成された、南北に細長い地形的特徴がありながらも、市民センターが市内全域に均質できめ細かなサービスの提供を行っており、支所機能、公民館機能、地域自治機能、防災機能などの多様な機能を有し、地域住民の声を市政に生かすために、大きく貢献をしてきました。

 現在、すべての市民センターにある支所は、本庁に行かなくても証明書の発行や、税金や保険料を納めることができ、ちょっとした相談も気軽にできる市民の身近な窓口となっています。しかし、市は、市内7か所程度に基幹市民センターを置き、一部を縁辺部市民センターと位置づけ、その他の市民センターから支所機能を無くす方針を示しました。市民からは、高齢化社会に逆行していると批判の声が多数寄せられています。

一方で、地域の防災拠点としての役割を担うため、市民センターそのものは、集約せずに存続する方針です。共助による地域防災が重要だとして、住民主体の自主防災組織で運営することを基本とし、災害時には初動支所班として地域に近い5人の職員が市との連携を図ることとしています。しかし、緊急時にこそ、日ごろから地域の皆さんと築いてきた関係が重要となることは言うまでもありません。個人情報という責任を伴う要支援者の名簿管理についても不安の声が上がっています。公民館運営、地域自治への助言など、支所職員の存在は複雑多様化した地域の安全安心に大きく貢献してきました。

 大規模災害時に他の自治体からの応援を円滑に受け入れ、人や物、技術の支援を最大限に活かすための「災害時受援計画」の策定も進められており、すべての市民センターが、今後も防災の拠点と位置付けられています。また、地域での住民主体のまちづくりの展開も進められています。

 そこでお尋ねします。

  1. 大津市は他自治体に先駆け整備をしてきた、市民の財産である市民センターのあり方を大きく変えようとしています。基幹市民センターへの、支所機能の拠点集約化は、歴代大津市が大切にしてきた行政サービスの大転換です。支所機能だけでなく防災機能・公民館機能・地域自治機能を支える支所職員の日常的な配置は、今後も必要であり、地域からも求められています。すべての市民センターに支所機能を存続させるべきと考えますが、見解を伺います。

 

 

◆市長答弁【所属名:公共施設マネジメント推進課】

 

( まず始めに、36学区についてのうち、一点目の小学校を中心にして形成された特色ある地域の活動や文化をどのように認識しているかについてでありますが、本市では、これまで、市町村合併をはじめ、高度経済成長期における市街地開発やそれに伴う人口増加に伴い、小学校が増加しました。そして、それぞれの学区や地域コミュニティの中で、スポーツ、文化、福祉、防犯、防災などを始めとした各種団体の活動が行われ、それぞれの地域の歴史や自然に根ざした地域文化が形成されてきたと認識しています。

 次に、2点目の規模より配置を優先した小学校単位での公共施設の整備についてでありますが、人口減少が起りまたそれに伴う市税収入の減少が予想される中で、老朽化した公共施設を維持、更新し将来にわたり持続可能な施設運営を可能にするためには、施設総量のスリム化を図ることが必要となることから、公共施設マネジメント基本方針の策定をはじめとした公共施設マネジメントの取組を進めてきたところです。

 そして、特に幼稚園・小学校・市民センター等の個別施設のあり方の検討を、市民の皆様への説明や協議を行い、取組を進めています。

 

◆部長答弁【所属名:自治協働課】

 支所機能について、すべての市民センターに支所機能を存続させるべきについてでありますが、議員お述べのとおり、本市では、市内36箇所に設置し、きめ細やかな行政サービスを提供してきたところであります。

 しかしながら、人口減少社会の中で地域を取り巻く環境が大きく変化する中、将来を見据えた持続可能な行政サービスを提供するための対応が必要となってきております。

 このような中、証明発行や公金収納などの窓口サービスについては、コンビニ等における民間サービスにより、支所以外でのサービス提供が可能となってきており、また、マイナンバー制度により、申請時の証明書の添付が不要となるなど、手続きの簡素化も推進される予定であります。

 このような状況を踏まえ、支所機能については、一定の地理的生活圏における拠点集約化を検討方針としたものでございます。

 一方、今後も地域での高齢化が進む中、身近な相談窓口がなくなることによる不安の声や公民館、地域自治、防災などの学区単位における地域活動の支援の必要性は十分認識しており、支所職員がいなくなる地域への人的支援策として、新たに「エリアマネージャー」や「移動行政相談員」を設け、より効率的、効果的な地域へのサポート体制を構築していくことを考えております。

 今後とも地域の皆様のご意見を丁寧にお聞きしながら、持続可能な行政サービスの提供に向けた検討に努めてまいりたいと考えております。

 

※初問とその答弁のみ記載しています。

 

 

「大津市農業振興ビジョン(案)」の実効的な施策を求めて

  • 2017.03.04 Saturday
  • 16:59

 歴代政権の輸入自由化一辺倒の農業政策のもとで、コメをはじめとする農産物の価格が下落し、農業生産が減り、それを上回る規模で農業所得が減っています。地域経済を支えている中小企業や農林水産業の衰退は、地方の衰退を深刻化させています。今こそ、農産物の価格保障・所得補償を抜本的に強化し、安心して再生産できる土台をつくり、食料自給率向上を国の産業政策の重要な柱にすえることが重要だと考えます。

 大津市では、来年度からの12年を計画期間とする農業のあり方を描いた「大津市農業振興ビジョン」の策定を進めています。策定の経緯には、農業を取り巻く環境の厳しさ、地球温暖化といった自然環境の変化、農家のみなさんの高齢化や引退、耕作放棄地の拡大などの問題が指摘されています。

 本年1月14日からの大雪で農業被害のあった市北部の現場にもまさしく、この問題点が凝縮されていました。

《投影開始写真 

 これは、日本共産党大津市会議員団で、被害状況を調べに行った時の様子です。仰木では、長さ40m幅6.5mものビニールハウスが雪の重みで大きくつぶれていました。たわんだパイプの下の畝には、手をかけたキャベツやブロッコリーなどが収穫を待っていましたが、ゆがんで壊れた戸口は閉まらなくなり、

《写真◆

鹿が柔らかくておいしい先の方だけを次々とかじっています。80歳を超えるNさんは、妻が3年前に脳梗塞で倒れてからは、ひとりで農作業を続けてきたとおっしゃいます。

《写真》

滋賀県のブランド米である「みずかがみ」の苗を作るために、3月末までに直さなければならないとのことですが、手間賃はタダだからと、ひとりでぼちぼち直すと言われました。気が遠くなる作業です。日に焼けた顔が、曲がった背中が、しわを刻んだ手が、休むことなく黙々と働き続けてこられたことを物語っています。こうやって、私たちの口に入る安全な食べ物を手間暇かけ作っていただいていることに頭が下がります。

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大物 ( だいもつ ) では、獣害柵が鳥除けのネットに雪が積もって重みで大きく倒壊し、

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隣の家にもたれかかっていました。8年前に20年はもつと言われて115万円をかけて作った柵だとのことで、県にも市にも連絡したが、雪害対策はなく、何にもしてもらえへん。道の駅に持って行っても売れ残るし、市場はアンテナショップの半値で、規格外のものは持ってもいけない。学校給食の買い取り価格も安くて採算が取れないし、近くに加工場でもあればとの希望も伺いました。経営の難しさから新規参入した志のある若者もすぐに辞めていき、高齢化と後継者難に加え、世界的な気候変動によって、作付の計画も立ちにくくなっていることや、そもそも大津市は農業予算が少なすぎると訴えられました。

《グラフ》

 続いて市の一般会計総額と農林水産業費の推移をごらんください。一般会計総額は、1990年度と昨年度2015年度では、1.6倍を超える伸びを示しています。それに比べ農林水産業費は、25年前よりも少なく、一般会計総額に占める割合は、二分の一以下にまで減っています。

《投影終了》そこでお尋ねします。

  1. 農業関連予算の大幅な減額が、「大津市農業振興ビジョン(案)」でも指摘されている、農業を取り巻く環境の厳しさを招いたのではありませんか。予算の増額が必要だと考えますが、見解を伺います。

 

 2020年から予定されている中学校給食を控えて、食育の観点からも安全で安心な大津市産農産物の供給量を増やすことが課題であり、ビジョンにも位置づけられています。学校給食における大津市産農産物の供給可能量が、2015年14.6tであったものを2021年には39t、2025年には67t、2029年には90tと、大きく目標が掲げられています。

 国の農林漁業者等及び関連事業の総合化並びに地域の農林水産物の利用の促進に関する基本方針(H23年3月)には、学校給食における地場産物を使用する割合について、食育推進基本計画に定める目標を達成することを目指すとしています。そこでお尋ねします。

  1. 学校給食における大津市産農産物の供給可能量の目標達成のための具体的な施策を伺います。

 

 大津市では山間部に農地が多いことから鳥獣による被害も深刻です。2013年度の市の被害額は、年間2950万円に及びました。防護柵の設置補助金は県費の300万円のみで上限二分の一補助ですが、一軒当たりの補助額は分母の大きさによって減っていきます。今年は希望者が多く、約36%の補助率だと伺っています。これでは自己負担分が高くてとても設置できないと悲鳴があがっています。また、天候異変の災害にも迅速に対応できる補助金の設置も望まれています。そこでお尋ねします。

  1. 防護柵設置や、被災時にも迅速に対応できる市単独の補助金を検討すべきではありませんか。

 

 1月の農業委員と農業者等との意見交換会においても、多くの方が指摘されたのが、後継者難と、固定資産税の高さです。農業だけでは暮らしていけず、他の仕事の収入から高い固定資産税を払っているが、いつまで農地を守っていけるか不安だと語られています。

 昨年5月に決定された都市農業振興基本計画は、市街化区域内の農地を「宅地化すべきもの」から都市に「あるべきもの」と位置付けを変え、必要な施策を求めています。そこでお尋ねします。

  1. 市街化区域農地の宅地並み課税の固定資産税軽減措置が必要だと考えますが、見解を伺います。

 

 国では、大規模農家に農地を集積し、経営規模拡大による効率化が進められています。そもそも日本の農業は大小多様な農家や組織によって担われていて、中小農家の切捨てで食料自給率の向上や農業の発展は見込めません。しかも大津市は、中山間地域の勾配が急な農地や、市街化区域に点在する農地等、効率的な作業ができない農地が多く、小規模農家が多いことから容易に経営規模拡大を推進できる状況にないことは、ビジョンでも指摘されています。

 一方で、近年、若者や定年退職者、都市住民の間で就農や農山村への移住希望者がふえ、農業への関心が高まっています。それを就農に結び付ける「半農半X(エックス)」という京都府綾部市に在住の塩見直紀さんが提唱された新しいライフスタイルが注目されています。「半農半X」のきちんとした定義はありませんが、農業収入の他に、兼業収入を加えて生計をたてるライフスタイル(いわゆる兼業就農)のことで、「半X」にあたる兼業部分には、限定がありません。

 大津市では、2016年現在約3,000戸が農業を営んでいますが、兼業農家が9割です。後継者の育成には、兼業農家の強みを活かし、自給的生産者を守り育てるための支援が有効ではないかと考えます。

 島根県では「農業+α(アルファ)」に着目し、2010年度に「UIターン就農者定住定着支援事業」を開始しました。2012年度から「半農半X支援事業」と名称を変更してU・Iターン者の支援を行い、過疎・高齢化で農業の担い手が減る中、移住者が増加しています。これまでに県外から44人が移住し、島根県内の8 市町で「半農半X」の生活に取り組んでいます。家族を含めるとその数は倍以上になります。県の制度に市町が支援する独自制度に加え、住まい、子育てなどの一体的な環境整備に力を入れていることも大きな要因です。実践者には、より農業に特化し、認定新規就農者へ移行し実績をあげている方もいらっしゃいます。

 本市でも2015年1月に環境政策課が提唱者の塩見さんを招いて『半農半Xという生き方〜自然に調和した暮らしを求めて〜』と題した講座を開催しています。40名の市民が参加し、好評であったと伺っていますが、農林水産課と連携して、市民へ具体的な提案があればもっと効果があったのではないかと思われます。(※下線部分については手持ち時間が無くなったため読み上げずに、質問に移りました。)

 そこでお尋ねします。

  1. 「半農半X支援事業」は、環境保全型農業を進める大津市においても、新規就農者を増やし、定住を促進する取り組みとして、有効な事業ではないかと考えますが、見解を伺います。

 

➡部長答弁(所属名:農林水産課)

 大津市農業振興ビジョンの実効的な施策を求めてのうち、農業予算についてですが、農業を取り巻く現状は、外国産の安い農産物の輸入、人口減少社会の到来による食料需要の減少、あるいは消費者の食の多様化など25年前と一概に比較できるものではないと考えております。

 なお、農業関連予算につきましては、各年度で主要な施策を実施し、直面する課題に対する適切な予算措置となっております。平成29年度についても地産地消の推進や鳥獣害対策などの課題に取り組んでまいります。

 

 次に、学校給食利用促進に向けた施策についてでありますが、産業観光部では、今年度に創設したジャガイモ、ニンジン、タマネギ、キャベツ、ブロッコリーを重点的に生産拡大するための「華麗なる大津野菜」生産拡大推進事業において、種子、肥料、薬剤、生産資材、販路開拓、共同利用機械などに対する助成制度があり、農事組合法人に対しては生産拡大の取組を依頼しております。

 また、教育委員会では、学校給食で大津産農産物を積極的に使用するため、野菜については現在も大津産を優先的に使用していますが、今後は、より少ない量でも対応できるよう調理場ごとに食材の調達を行い、学校給食用物資納入業者全てに対し大津産野菜の確保を周知するなど、大津産の使用拡大に向けた取組を検討していきます。

 今後とも産業観光部と教育委員会が連携し、給食で使用できる規格、使用する野菜の種類や時期、使用量について、農業協同組合などを通して生産者や農業関係者に対し情報提供を行っていくことにより、大津市産農産物の作付面積拡大を図り、学校給食への供給可能量の目標達成につなげてまいります。

 

 次に、市単独補助金についてでありますが、防護柵設置への支援につきましては、大津市が防護柵などの設置にかかる補助金交付要綱を定め、滋賀県自治振興交付金と共に補助金を支出しており、平成28年度には8集落に支援を行っております。

 また、災害等緊急に対応する必要があるものにつきましても、現在の大津市補助金交付要綱において、集落が既設の防護柵を補強する事業の中で、条件を満たす場合には補助を行っております。

  

 次に、新規就農者対策についてですが、大津市農業振興ビジョンでは「農ある暮らしがつなぐ湖都のきずな」をコンセプトに、地域で支える多様な農業、地域でつくる豊かな食を目指しています。その中でも、議員お述べの半農半Xは、農業を営みながら他の仕事にも携わり、生活に必要な食料、所得を確保するという、多様な担い手の一つであると考えています。

 このように、新しいライフスタイルによる半農半Xを実践される方などが現れ定住されれば、「住み続けたいまち・大津」の実現につながると考えております。

 

➡部長答弁(所属名:資産税課)

 市街化区域農地の宅地並み課税の固定資産税軽減措置についてでありますが、当該農地は宅地化を促進する地域にあり、税制上、農地としてではなく「宅地としての潜在的価値を有する」土地として取り扱われています。

 一方、税の負担面においては、宅地に比べ、評価額に対して課税標準額が、固定資産税では3分の1、都市計画税では3分の2を限度として低く抑えられております。

 また、固定資産税の減免は、地方税法及び市税条例において、災害などによる納税者の担税力の喪失や公益上必要なものに限られており、従いまして、市街化区域農地の固定資産税を、さらに軽減する考えはございません。

 なお、平成27年4月に施行された都市農業振興基本法において、都市農業のための利用が継続される土地について必要な税制上の措置を講じるものとされ、昨年の同基本計画に基づき、課税の公平性の観点から、国において固定資産税等の税負担のあり方を検討されているところであり、その動向を注視してまいります。